コメ返信や補足その1-10:「Who is him?」って言うのかい、言わないのかい?

どっちなんだ~い!?

…ということで、前回また中途半端な所で区切っていた話の続きに参りましょう。

これは別にコメントでお尋ねいただいていたネタではなく、僕が勝手に広げただけの、別に誰も気にならないかもしれない話なんですが(笑)、個人的興味からちょっと見ておきたくなった感じですね。

前回最後にチラッと書いていた通り、非常によくまとまっていた、久々に登場の言語Q&Aフォーラム・Wordreference.comの↓のスレッドを、また翻訳引用させていただこうと思います。

 

forum.wordreference.com

 

DavidCornell(質問者:ニューヨーク在住・標準中国語話者): 

以下の文はどちらも言えるんだろうか?


Who is he?

Who is him?

 

もし両方とも正しいなら、違いはある?どちらか一方だけが使えるような場面はある?

 

サンクス!

 

Lexiphile(ドイツ在住・イングランド英語話者):

「Who is he?」が正しい。

「Who is him?」は正しくないし、そう言えるような状況は存在しない。どんな場面でも、「Who is him?」なんて言うネイティブスピーカーは一切存在しないんじゃないかな、と思うよ。

 

DavidCornell(質問者、1つ上の回答への返信) :

この2文ならどうだい:


I know who he is.(彼が誰かを知っている。)

I know who is him.(誰が彼かを知っている。)

 

Blootix(カリフォルニア在住・アメリカ英語話者、1つ上の回答への返信):

I know who he is.✅(OKのサイン)

I know who is him.❌(ダメのサイン)

 

icecreamsoldierニュージーランド英語話者、最初の質問への返信):

これは単純な主語-動詞の逆転のケースだね。ここでの「Who」は疑問代名詞であり、人称代名詞ではないわけだ(つまり、文中の人名が単に「who」に置き換わっているのではない;そうではなく、別の文法的機能をもっているんだね)。


Who is he? He is Bryan.
(彼は誰ですか?彼はブライアンです。)

ダメ:*Who is him? *Him is Bryan/Bryan is him
(*誰は彼ですか?*彼のブライアンです/ブライアンは彼です。)


お役に立てれば幸い!😀


p.s. 2つ目の質問はトリッキーだね―あえて言えば、Blootixさんの言う通り、「I know who he is」(彼が誰であるか知っている)というのが唯一の可能性ではあるかな。

 

DavidCornell(質問者、1つ上の回答への返信) :

みんな、どうもありがとう。もう一つ質問よろしいかな?

これなら言えると思うんだ:

That is him.(あれが彼だよ)
(パーティーなんかで、例えばJohnという人を探している状況、なんてのを考えてみて欲しい)

で、ここでまた質問をしたいなら、こうは言えないかな。


Who is him?(誰が彼?)
(もしかしたら、「Which one is him」の方がいいのかもしれない?)

あるいは、それでもなお、こう言わなければいけないのかな?
Who is he? (または「which one is he」)

 

Dimcl(カナダ・ブリティッシュコロンビア在住・カナダ英語話者、1つ上の回答を直接添削):

Who is him.❌(ダメのサイン)

(もしかしたら、「Which one is himhe」の方がいいのかもしれない?)

 

Scherle(フィリピン・マニラ在住・フィリピン語および英語話者、3番目のレスへの返信(※上のBlootixさんと、完全に同じ回答)):

I know who he is.✅(OKのサイン)

I know who is him.❌(ダメのサイン)

 

Loob(英国英語話者、パーティーの例文レスへの返信):

これは本当にトリッキーな質問だね、DCさん!


その通りだと思う―パーティーで、私はジョンに会ったことがないので、友人にジョンを指さして欲しいというシナリオを思い描いてみてるよ。隅に3人組の男が立っていて、そのうちの一人がジョンだということは分かってるとしよう。考えられる台詞は以下の通りだね:


Loob: Which one is John?(どの人がジョン?)

Loobの友人:<不明瞭な言葉>

Loob: Sorry, couldn't hear you. Which one is him?(ごめん、聞き取れなかった。どの人が彼?)


3行目は、「he」ではなく「him」でないといけないように、私には強く思えるな。でも、実際には、私なら「Which one?」って言うだけだと思うけどね😀


参考になったかどうかは分からないけれど!

 

------
追記: もうちょい考えてみたよ。ここで考えられる変形は2種類あるね:

John is that one. (ジョンはあの人)
He is that one.  (彼があの人)
Which one is he? (彼はどっちの人なの?)


That [one] is John. (あの人がジョン)
That [one] is him. (あの人が彼)
Which one is him?  (どっちの人が彼なの?)

 

JamesMカリフォルニア州ロサンゼルス在住・アメリカ英語話者):

私には、「which one is he」だけが正しいと思える。時々、「正しい」言い方と、私の知っているほとんどの人が言う「実際の」言い方(例えば「It's I/It's me」)があるけど、この場合、私にとってはどちらの観点からでも答は一つだと思えるよ😀「Which one is him/her?」は私にはとても奇妙に聞こえるなぁ。

 

DavidCornell(質問者、Loobさんへの返信) :

Loobさん、本当にどうもありがとう。非常に興味深いコメントだね。そのシナリオと2組の変形は、まさに完璧私が考えていることだよ。ということはつまり、少なくともLoobさんにとっては、そのシナリオの中で「Which one is him?」は可能だってことなんだね。それなら、ざっくり言って、同じシナリオで「who is him」もOKなのかな?同じ意見をお持ちの方は、他にもいるのかなぁ?


もしこういう言い方をしない人がいても、それは大した問題じゃないね。一部のネイティブスピーカーにとってOKなのであれば、私にとってはそれで十分な答だといえるんだ。

 

DavidCornell(質問者、JamesMさんへの返信) :

「is」の短縮形を使うと、少しは聞こえが良くならないかな?例えば:


Which one's him?(どっちが彼?)


JamesMさんの判断だと、「which one is her」はおかしいということなんだね。でも、もしかしたら「her」と「him」は違うかもしれない?以下の文章は、許容度が下がっていくということなのかな:


Which one is him?
Which one is her?
Which ones are them?


もしそうなら、「which one is him」は「her」や「them」と比べて、現状、少し聞こえが良いってことになるのかな?

 

Loob(英国英語話者):

ちょっと待って、DCさん!

「Who is him?❌(ダメのマーク)なんて言えるようなシナリオは、私には想像できないよ。

「Which one is him?」と言う可能性がなくはないシナリオは、想像できるかもしれないけど。でも、その場合でも、実際に言うかどうかは......。

代替案を見つける方がいいと思うな😀

 

DavidCornell(質問者、↑のLoobさんへの返信) :

どうもありがとう。では、パーティーのシナリオでは、こんな感じで言うってことなのかな:

Can you point out to me which one is him?(どの人が彼なのか、指摘してもらえますか?)

大量の質問、どうも申し訳ない。

 

JamesMカリフォルニア州ロサンゼルス在住・アメリカ英語話者、先ほどの「JamesMさんへの返信」への返信):

実際、答はyesだ。「Which one is he?」を見たとき、「is」にアクセントがあるように聞こえたんだ―「Which one IS he?」という具合だね。一方「Which one's him?」と見たら、「him」にアクセントがあるように聞こえたよ。それでもなお、実際に自分が言うような言葉には聞こえないんだけど、刑事番組なんかで聞くのは想像ができるかもしれないかな。

 

DavidCornell(質問者、↑のJamesMさんへの返信) :

ありがとう、Jamesさん。大変に役に立ったよ。

 

Loob(英国英語話者):

JamesMさんに同意だね。

DCさん、代名詞の「主格」と「目的格」のどちらが「to be」動詞の後に現れるかという問題は、(今日の)英語では*めっちゃんこ*難しい問題だ、ってことを認識する必要があるかもしれないね。

「It is I」/「It is me」や同様のトピックなんかは、過去にたくさんのスレッドが立っているよ。

私の個人的な見解では、「It's me」が勝利を収めている所で、50年後には誰もそれを疑問にも思わないだろうという気がするかな。同じように、50年後には「which one is him?」に対して、誰も疑問を持たなくなるのかもしれないね。

でも、今現在においては、それは問題あり!だね!

 

…という所で、大変に興味深いトピックでした。

いやぁ~、DCさんが、「使わねぇよ、❌」というだけのやや適当なレスに屈せず、考えられ得るシチュエーションをしっかりと提起してくれる人、そしてその意図を汲んできちんとそんな状況を考えてくれるLoobさんのような人がいてくれて、とても良かったですねぇ~。

まさしく中学時代の僕もDCさんとドンピシャ全く同じ感じの疑問を持っていたわけですが(ただ、途中あったhim/herの違いなんかは、別にJamesMさんはそんなこと一言も書いてなかったですし、やや的外れ感はあったものの)、ズバリ解決という形になりました。


一見、Loobさんの回答から、この状況ならやっぱり、「Who is him?」もいけんちゃうん?…と思えたものの、その後で直接言及されていた通り、「Who is him?」というフレーズは、今現在の英語だと、どう考えてもおかしいとしか言えない響きになっている、ってことなんですね。

(なので、理由も示さず「❌」と断言する人も別に適当言っていたわけではなく、問答無用でおかしいというのは一貫していて実に正しい、って形でしたね。)

 

文法的には、まさにDCさんが丁寧に記述してくれていた通り、普通にいけそうにも思えるんですけど、実践的な英会話では違和感バリバリということが分かって、長年の疑問が解決できて大変スッキリしました。

結局、(あくまで例であって、今のシチュエーションに完全対応しているわけではないですが、あえて日本語で似たようなことを考えるなら)「誰は彼なの?」という日本語が、どう考えても、いかなる場面でも絶対に不自然に響くとしか思えないのと全く同じ感じ(=文法的にはまぁ別にあってもおかしくない文字列ではあるけれど、口に出して呟いてみると、この文が自然に響くことは絶対にないように思える…という感じ)なのかな、って気がします。

(「誰彼なの?」なら場合によってはまぁあり得そうな日本語ですけど、(改めて、直訳でピタリ対応しているというわけではないですが)これはまさに、「『Which one is him?』ならあり得るけど、『Who is him?』は絶対変」というのとそっくりな状況になっている例だといえそうですね。)

 

ということで、「Who is him?」って言うのかい、言わないのかい?…の結論としては、ズバリ、言わ…なーい!ということでした。ヤー!!

大変にためになりました。

 

(ちなみにマジで全く関係ないですが、このネタ、僕はなかやまきんに君自体はめちゃくちゃいい人に思えて好きですけど、このギャグというかネタ自体は、クソおもんないを通り越してそもそもギャグにすらなってなくない?と思えていたのですが、以前話題になっていた、NHKの一橋アナウンサーが、きんに君のこのネタにツボってしまうこの動画(↓)……

www.youtube.com

…クッソおもんないネタに、ユーモアのセンスがあんまりなさそうな人(失礼すぎますけど)が一人で受けてるこれ、正直「これは…おもんないのバーゲンセールや…!」としか思えないはずなのに、登場するお二方、両方ともがあまりにも善人っぽい、良い人感溢れるナイスガイでとても微笑ましく癒される感じだったからか、気付いたら僕もこのネタがめっちゃ好きになってしまってましたねぇ~(笑)。)


「育児においての応用力が高すぎる」なんてことも以前話題になっていましたし(↓)…

togetter.com

(途中で紹介されていた、茶沢山さん(既にアカウントは存在しませんでしたが)のツイート、

何と言うかこう

自分もイライラしながら「どうするの!どっちにするの!」って言わなくていい感。

ギャグのフレーズに合わせる事で、ちょっと冗談っぽく心和やかに言える、それが一番の利点では無いかなって。

というのが、育児未経験でも「本当にそうなんだろうな」と思える、何か大切なことに気付かされた感すらありますね。)

…そうか、これこそが人を傷つけない笑い……今の時代が必要としてるのはこれだったんや、流石やできんに君、ホンマにアンビリーバブルや!!…と、新たな「気付き」を得られて、きんに君さんには誠に感謝しきりにございます。


というわけで、今回は、きんに君ネタを使わせてもらったついでに、アイキャッチ画像は筋肉と語り合ってるそれっぽいいらすとを使わせていただきましょう(単に、あまりにもネタがなさすぎただけ(笑))。


それでは、次回はまたコメント続きに戻っていく予定です。

にほんブログ村 恋愛ブログ 婚活・結婚活動(本人)へ
にほんブログ村