コメ返信や補足その1-8:実はそっくりだった?!英語と日本語の「未来」

またまたコメントの途中でぶった切る形で終わっていたため、早速続きから参りましょう。

前回も貼っていましたが、引用として紹介しただけで中身には触れずに持ち越しをしていた後半部分の再掲からですね。

(改めて、こちらはアンさんよりいただいたコメントになります。いつも本当にありがとうございます。)

あ、公共的なことがらの予定については現在形を使うって、言われてみれば聞いたことあるような気がしないでもないような…笑

「明日は」って言うのに現在形っていうのは、やっぱり違和感ありますね。

例えば、自分がもうオープンしたそのお店にいて、「お店は何時オープンなの?(だったの?)」と聞いたとしても、やっぱり過去形にもならず現在形で答える感じなんでしょうか?

これ、また過去が絡んでくると、現在完了や、過去完了や、いろいろややこしそうですよね。(妄想です笑)


⇒「未来のことなのに現在形ぃ?何かしっくり来ないなぁ」という感覚はまさによく分かる感じなのですけど、実をいいますと、厳密にいえば、そもそも英語に「未来形」というのは存在しないともいえるんですよね。

というのも、まさにこないだミントン先生の解説を見ていた通り、「未来を表す表現」として基本的なものは4つほど挙げられていたわけですが、これは、

  1. 助動詞のwillを使う(助動詞のcanやmay同様、いわばこれは活用としては普通に現在形に過ぎない)
  2. be going toを使う(I am going to、he's gonna…など、普通に、形式的にはbe動詞の現在形を使っているだけともいえる)
  3. be -ingを使う(言うまでもなく現在進行形だし、さらにいえば、これも形式的にはbe動詞の現在形を使ってるだけ)
  4. 現在形を使う(そのまんま)

…ってな具合で、これら全て、よく考えたら、どっからどう見ても、「過去形」みたいにハッキリとした語尾変化・活用がなされているわけでは全くなく、いわば「未来形」といえるような形態はどっこにも存在しないんですね!


結局の所、これらは全て、「文脈によって、未来を表す“ことになる”」だけであり、極論、「『未来形』という形・活用変化なんぞ存在しない」のとほぼ同義だといえるわけです。

(一番「未来形」っぽいwillも、同じく中学英語で学んだ通り「Will you...?」という疑問文で依頼をする形になるわけですけど、この疑問文に未来要素はほぼ皆無であるため、「will=未来」ということでは決してありませんしね。)

 

というかそもそもそれどころか、実はなんと、冷静に考えたら、日本語にも未来形って存在しないんですよね。

例えば、「来月、北海道に旅行します」という文、これ、誰がどう読んでも未来を表す文なわけですが、よく見てみたらなんとまぁ、文法上は普通に現在形ではありませんか!

↑の例は英語の未来表現とは異なるものの(英語の場合、現在形で表すのは、個人的な予定ではなく、公共性のある予定でした)、ちょうど、「明日のこの時間は……図書館で勉強しているね」なんかだと、まさしく自分の確定したスケジュールを現在進行形で表現することで未来のことに言及しているといえますから、これはこないだの英語の例とピタリだともいえますね。

あと他にも、「今夜は雨になるでしょう」なんかも、「いや、『でしょう』は未来を意味する語尾でしょう?」と思えるものの、まさに今(あえて作った)この文でも同じ形で終わっているのに未来を表すわけではなかったことからも明らかな通り、別に「でしょう」が未来形を示す語句ってこたぁ、必ずしもないわけです。

(まぁ厳密に言えば、推測・推量とかそういう感じの助動詞でしょうか。)


そんなわけで、この「未来を表すかどうかは、文脈次第」って話は、実は我らが日本語と全く同じ感じであったといって差し支えない話ともいえまして、英語でも日本語でも、現在形や現在進行形が未来を表すのは、文脈によっては普通であり割と自然なこととも言えて……

…また言い換えると、そもそも「未来形」なる表現形式は存在しないんだ、よぉ考えたら日本語だってそうでしょ?ともいえる話ですから、そういう風に考えれば、この辺の話は案外素直に受け入れやすいものになっているといえるかもしれませんね。

(とはいえ、僕は文法学者ではないですし、もしかしたら「厳密には、文法分類学上、『未来形』という活用も存在するよ」という話なのかもしれませんけど、少なくとも実践的には、上に書いたような説明は割と説得力のある感じにはなっていると思いますし、考え方のニュアンスを掴む上では結構いい捉え方ではないかな、と思います。)


といった感じで、ここは発想の転換で、「元々『未来形』などという意識を持っていたのがおかしかったんだ、基本的に未来のことは現在形+文脈で表すものに過ぎなかったんだなぁ」と考えれば、この辺の話はすっと受け入れやすくなる(かもしれない)でしょう、という補足でした。

 

続いての「例えば、自分がもうオープンしたそのお店にいて、『お店は何時オープンなの?(だったの?)』と聞いたとしても、やっぱり過去形にもならず現在形で答える感じなんでしょうか?」の部分は、これまた文脈次第、あるいは意図次第という、例の、「何だよそのハッキリしねぇ感じは!その場で判断しないといけないとかメンドくせぇこと極まりないから、『絶対こう考えればOK』みたいな黄金法則を用意しといてくれや!!」と憤りを覚える感じであるかもしれないものの(笑)、こればっかりは言語・日常会話なんてそんなもんです、としかいえない話かもしれませんね。


結局、ここで、「お店は今日、何時にオープンしてたの?」という意図のことを聞きたいのであれば、普通に過去形で「What time did you open today?」でいいですし…

(あんまり聞く意図が分からない気もしましたが、一応、例えば「今日午前中通りがかったときは、開いてなかったから…」みたいな時に聞く質問ならありそうですね)

…一方、今日のことも踏まえて、このお店の、恐らく平日とかならいつも同じであろう開店時間を聞くべく「お店は何時にオープンなの?(だったの?)」と聞きたいのであれば、「What time do you open?」で、このお店の開店時間=スケジュールを教えてもらえる、って感じですね。

(もしその日=例えば月曜日とその他平日とで違う時間だったならば、「We opened at 10 am today, but we usually open at 9 am on other weekdays.」みたいな回答をいただけることでしょう。

…いや、やっぱり、当日とはいえ既に過去になった話をいちいち言う意味もないですし、これの前半は↑ではなく「We open at 10 am on Mondays, and at 9 am on other week days.」みたいな方が断然普通の答かもしれません。)

 

一方、「過去」については、現在完了・過去完了なども絡んでくる、ややこしさ筆頭の話ですねぇ~。

これまた始めると長くなりそうですし、ひとしきり話題が落ち着いて、またちょうどいい機会があったらちょっと触れてみようかなと思います。

(ちなみにこの文(↑)は「ちょっと触れてみようかなと思います」だけだと現在形であり今まさに始める話にも思えるわけですが、「いい機会があったら」という条件節があるので、これは未来の話ですね(笑)。)


…と、次の記事(オープンについてより詳しく見ていたこちらですね)にいただいていたコメントにも触れて行こうと思っていたんですけど、新しいのに触れるには微妙に中途半端な長さになってしまっている感じなので、ここ最近の記事では割と短めですが、よぉ考えたら一般的なブログ記事と比べたらもうゲボ長いとも言えますし(笑)、続きは次回にまわさせていただきましょう。


アイキャッチ画像、今回は、とかく「まるで違う」といわれがちな日本語と英語ですが、こんなそっくりな部分もあったよ、という話がメインでしたし、日本人と英米人が「同じです!」とガッチリ握手をしているこちらのいらすとをお借りしてみました。

まぁ、英語話者=金髪碧眼長身というのも、ポリコレ棒で叩かれそうな話かもしれないものの、元ネタのいらすとやでは「外国人」となっているので、その辺は僕の勝手な偏見が入っているかもしれない、という但し書きを付記しておくといたしましょう。

(とはいえいずれにせよ、「『日本人=黒髪』って、日本人は黒髪じゃなきゃダメなの?黒髪じゃなかったら日本人じゃないとでもいうの?」…みたいになってしまうともいえるかもしれませんが……)

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