前回は引用記事の途中で、地味に長かったためブッタ切りの中断を挟んでいました。
早速続きから参りましょう。
改めて、以下の記事(↓)の、例外である-arのセクションからですね。
よく混同される接尾辞:-er、-or、-ar
(前回からの続き)
接尾辞「-ar」の使用
動詞から動作主名詞を形成する接尾辞としては 「-er」が最も一般的ですが、特定の例では「-or」も同じ働きをします。しかし、この名詞を形成するために使用できる第三の接尾辞に、他の二つと同じように発音されるもの:「-ar」も存在します。
「-ar」で終わる動作主名詞
接尾辞「-ar」で終わる動作主名詞は、「-er」 や「-or」と比べて遥かに少なく、どのような場合に「-ar」が適切となるかを示してくれる現実的な慣例も存在しません。
動詞から「-ar」を使って直接派生される名詞はわずか2つしかありません:
- beg→beggar(ベガー、物乞い・貧乏人)
- lie→liar(ライアー、嘘つき)
動作主名詞につながる、三つ目の動詞もあります:burgle→burglar(強盗)です。しかしこの場合、burglarが元々の単語(アングロ・ラテン語由来)であり、そこからburgleという動詞が派生したもので、これは「back-formation(逆成語)」と呼ばれる過程を経たものになります。
最後に、「-ar」で終わる動作主名詞は他にもいくつかありますが、これらは動詞から派生したものでも、動詞と直接つながっているものでもないので、「-ar」が接尾辞として機能しているわけではありません:
その他の「-ar」で終わる名詞
一部の動作主名詞の語尾に加え、「-ar」は他にもいくつかの一般名詞の語尾にも現れます。しかし、これらの場合、異なる品詞を名詞に変えているわけではないので、接尾辞としては機能していません。
例:
- altar(祭壇)
- avatar(アバター)
- calendar(カレンダー)
- cheddar(チェダー)
- dollar(ダラー、ドル)
- grammar(グラマー、文法)
- guitar(ギター)
- hangar(ハンガー(「航空機などを格納するための大きな建物やシェルター」の意;動詞hangとは関係ない))
- mortar(モーター、モルタル・すり鉢(※日本語の、車とかのモーターとは別の単語ですね))
- nectar(ネクター、神話に登場する不老長寿のお酒・果実繊維入りの濃厚なジュース)
- pillar(ピラー、柱)
- radar(レーダー)
- vinegar(ビネガー、酢)
形容詞を作る「-ar」の使い方
「-ar」は名詞を作るために使われることもありますが、形容詞を作るために使われることの方がより多く、それ自身、またはより大きな接尾辞「-ular」の一部として用いられています。(「-ar」も「-ular」も、「~のような;~に似ている、または、~に関連している;~の、または、~に属する」という意味で使われます。)
例:
- angle→angular(アンギュラー、角のある・角度の・骨ばった)
- cell→cellular(セルラー、細胞の・携帯電話)
- circle→circular(サーキュラー、円形の・環状の)
- grain→granular(グラニュラー、粒状の・ざらざらした)
- line→linear(リニア、線形の・直線の)
- muscle→muscular(マスキュラ―、筋肉の・屈強な)
- nucleus→nuclear(ヌクレアー、核の・原子力の)
- pole→polar(ポーラー、極地の・北極/南極の)
- populace→popular(ポピュラー、人気の)
- title→titular(名ばかりの・肩書きだけの)
- vehicle→vehicular(乗り物の・移動式の)
比較形容詞と比較副詞の作り方多くの形容詞には「-ar」という接尾辞がつきますが、「-er」という接尾辞は比較形容詞や比較副詞を作るのに使える唯一の接尾辞であることに注意しましょう―2人の人物や物事の特徴を比較するために使われる形容詞や副詞のことですね。
例:
- bright→brighter(ブライター、より明るい)
- dim→dimmer(ディマー、より暗い(※これは比較級形容詞意外にも「調光器」という名詞でもよく使われますね))
- fast→faster(ファスタ―、より速く)
- full→fuller(より充実している)
- happy→happier(ハッピアー、より楽しい・幸せな)
- long→longer(ロンガ―、より長い)
- red→redder(より赤い)
- slow→slower(スローアー、より遅い)
- tall→taller(トーラー、より高い)
- witty→wittier(より機知に富んだ・しゃれの利いた)
その他の比較級を作る
全ての形容詞が「-er」をつけて比較級になるわけではないことに注意しましょう。1音節のもの、または2音節の末尾が「-y」のものだけがそうなり得ます。より長い形容詞の場合は、以下のように、moreやlessを前につけるだけになります:
- careful→more/less careful(モア/レス ケアフル、より注意深い/深くない(※以下同様))
- intelligent→more/less intelligent(インテリジェント、知的な)
- loyal→more/less loyal(ロイヤル、忠実な・素直な)
- respectful→more/less respectful(リスペクトフル、尊敬の念を持てる・丁重な)
- vivid→more/less vivid(ビビッド、鮮やかな)
副詞にもこの制約はありますが、「-er」を付けられるのは単音節の副詞のみです;「-y」で終わる副詞は、ほとんどの場合、形容詞に「-ly」を付けて作られ、比較級になるには「more/less」を付けることになります。例:
- carefully→more/less carefully(より注意深く/深くなく(※以下同様))
- intelligentently→more/less intelligentently(知的に)
- loyally→more/less loyally(忠実に・素直に)
- respectfully→more/less respectfully(尊敬の念を持って・丁重に)
- vividly→more/less vividly(鮮やかに)
その他の形容詞は単に不規則なもので、上記の慣例に従わない特定の比較形を持っています;ここでは最も一般的な例をいくつか紹介しましょう:形容詞
- bad→worse(ワース、より悪い)
- fun→more/less fun(より楽しい/楽しくない)
- far→farther(文字通りの距離)または further(比喩的距離)(ファーザー、より遠い・離れた)
- good→better(ベター、より良い)
- little→less(量を描写するとき)(レス、より少ない)
副詞
- badly→worse(ワース、より悪く)
- early→earlier*(アーリアー、より早く)
- far→farther(文字通りの距離)または further(比喩的距離)(ファーザー、より遠くに・離れて)
- little→less(量を描写するとき)(レス、より少なく)
- well→better(ベター、より良く)
(*Early は形容詞と副詞の両方であり、どちらの用法でも同じ比較形であるearlierになります。これは副詞としてのみ不規則な形で、なぜなら「-ly」で終わる副詞にはmore/lessをつけるという慣習に反するからです。)
(※記事末尾にはクイズも用意されていました。力試しをしてみるのも面白いかもしれませんね。)
そういえば「-er」は、比較級を作る際にも現れる接尾辞でしたね。
しかしまぁそれは「-or」と迷うことはないですし、どうでもいい話だったといえる感じでしょうか。
-arは「~する人」の意味だと、わずか3語しかないといえるものの、まぁ「乞食」はともかく、「ライアー(嘘つき!)」はめちゃくちゃよく使いますし(実際、『青い花』の英語版でも見かけました)、lierとしてしまわないように、要注意かもしれませんね。
(なお、「~する人」ではないものの、上記記事でも紹介されていた中で、特に「文法」を意味するグラマーという単語、こちらなんかは、高校の頃英語の先生が「ちゃんと覚えてない人はみんなgrammerって書いちゃいがちだけど、これarだからね」と強調していたこともあり、「確かに、何となくgrammerってスペルだと思ってた!」と納得の説明で、個人的には非常に印象深いスペルかもしれません。
あぁ、そういえばギターも、中三の頃学校で受けた模試みたいなやつで、英語の試験でguiterって書いてしまって、確か唯一の減点を食らった覚えがありますねぇ~。
っていうか、カレンダーも、意識しなかったら今でもcalenderって書いちゃってスペルチェックの警告を食らいそうな単語ですね…!
やはり、「アー」は何となく英語だとerのイメージが強く、意識しないとついついarのものもerにしちゃいがちといえるような気がします。
ルールも何もあったものではないですが、-arになるものを中心に覚えておくと、ミスなし作文が捗るかもしれませんね(まぁ、結局-orの罠も残るわけですけど…))
ついでの脱線ネタとして、その珍しい動作主名詞「-ar」3語の内の例外的な「逆成語」であるburglarですが、この単語はやっぱり、幼い頃にマクドナルドのキャラクターで見た「ハンバーグラー」のおかげで「泥棒」みたいなニュアンスはなんとなくインプットされていたんですけど、いつの頃からかこの世から消え失せてしまった気がするあの黒白のシマシマキャラ、僕はマクナルで一番好きなキャラでしたねぇ~。
…というか、マックのキャラって基本なんかキモくて、冷静に考えたら恐怖でしかないあの「マクドの顔」ツラしている赤モジャピエロ野郎とか、ダサい国アメリカ発祥だから仕方ないとはいえ(笑)、他にも全く可愛くないキャラが多い中、ハンバーグラーだけはちょっと小太りで親しみやすい人型でしたし、アウトローな感じも子供心に「カッコいいじゃん」と思える感じで、何か抽選でキャラグッズが当たる感じだったら、僕はハンバーグラーのやつが一番欲しかった記憶があります。
(コイツですね(↓)。名前に印象はなくとも、90年代を生きていた方なら、確実に見覚えがあるのではないかと思います。)
…まぁ言う程コイツも別にいいキャラではないですけど(笑)、消去法で、キモドナルドのキャラの中では当たったら一番うれしいキャラだった、って感じですね。
(いやキャラがキモいだけで、マックは普通にめっちゃ美味しいと思いますけどね…!)
…と、ハンバーグラーぐらいしか脱線する話もなかった感じですが、ルールと思えないルールの列挙だったとはいえ、網羅的に挙げてくれているこの記事は大変分かりやすくてナイスなものでした。
当初、もう一つの、より深い解説がなされていそうな記事も見てみようかと思っていたのですが、ルール記事だけでかなりの長さになりましたし、よく見たら全然大したことも書かれていなかったので、そちらはまぁ省略しようかと思います。
一応、この記事を見ようかなと思っていたわけですが……
書かれていることは、アメリカ英語とイギリス英語で差があることもあるということ(例えば、adviseの動作主名詞は、米:adviser/英:advisorになりがちで、他にも多少の地域差も見られる、みたいな)……
あとそれから、パッと見でこの旨が書いてありそうだったため取り上げようかと思ってたんですけど、基本的にはラテン語由来のやや堅い単語には-orが付き、そうではないアングロサクソン系の英単語(日本語で言えば、大和言葉に近い感じですかね?)には-erが付くことが多いので、漠然としたイメージとして、「難しそうな単語(accelerateとかadministrateとか)には-or、簡単な日常語っぽい単語(eatとかmakeとか)には-er」みたいなイメージを持っておくと良いかもしれません……という点なんかがありました。
(でも、そこまで深く突っ込んでの解説でもなく、アングロサクソン系うんぬんは僕が今勝手に書いた話ですし、実際そのイメージも全く万能なものではない感じですね。)
ということで、アダプターから派生した-er/-or/-arネタもこの辺りで〆といたしましょう。
次回からはまた別の「マギ単(紛らわしい単語)」を見ていこうと思いますが、あぁ、アダプトで一つ、アイキャッチ画像として使いたいなと思ったのがあったので、次回もし特にいい画像がなかったら、既にアダプトの話は終わりましたけれども、そちらを採用しようかなと思います(アダプトだけに(笑))。