早速、次の項目(といっても、別に順番には何の意味もないわけですが)に参りましょう。
9. アダプト(Adapt/Adopt)
こちらは、日常生活では正直一方(の内、ほとんど特定の形で)しかまずお目にかからないとはいえるものの、紛らわしさは指折りの存在といえましょう。
意味からいうと、一つが「適応させる」というような感じで、もう一つは、「採用する」という意が一般的な感じはするものの、むしろ第一義としてよく辞書の最初に載っているのは、めちゃくちゃ特殊な用語っぽい気もする「養子縁組をする」ってやつですね。
まぁある意味養子縁組は、自分の家族に、実子ではない子を採用するともいえるので同じような意味ともみなせるわけですが、インパクトが強いので、養子といえばアダプト、アダプトといえば養子というイメージは個人的にあるかもしれません。
もちろん僕は養子を取ったことも自分が養子になったこともないので「日常生活でお目にかかる」というのはこちらではないのですが、これは僕だけかもしれませんけど、「適応」と「採用」と「養子」って、(まぁ後者2つは同じ単語なので当たり前ですが)適応と採用も、「採用する(養子を取る)」というのは自分の環境に相手を「適応させる」とかそんなイメージもできるっちゃできますし、若干似ている…とは言わないまでも、ニュアンス的にちょっとだけごっちゃになりがちかもしれませんね。
(まぁ実際に「あれ?どっちだっけ?」となることはないですけど、前回の「低い」と「法律」の「ロー」みたいな、完全に似通ってる部分も一切なくハッキリと違う言葉になっているわけではない気もする、って感じでしょうか。
その意味で、「新鮮な」と「生肉」の「フレッシュ」は、どちらも新鮮チックなニュアンスがある気がしてスペルのみならず意味にも少し類似性がある気もしますね、なんて書いてましたけど、それに近いかもしれないですね。)
ということで、個人的に最もよく使うというか出くわす場面が多い気がするのは「適応させる」の方の語なんですけど、これは日本語でも絶対誰でも見たことも触ったことも実際自分で使ったこともあるはずの、ズバリ、「ACアダプター」という語でも使われているアダプトだということですね。
…ってまぁ、ゲームをする男の子なら100%絶対に名前もおなじみですけど、特に電気製品とかには一切興味のない方だと「いやそんなん知らんし(笑)」と思われるかもしれないものの、でも、パソコンの電源ケーブルについてくるあの黒くて大きな重いカタマリ、あれがACアダプター(貼られているシールや印字を見たら、絶っっ対に「ACアダプター」という表記と、あと小さい文字で対応電圧(ともちろん、出力電力)なんかが明記されてるはずですね)なので、流石に触ったことがない人は今どきいらっしゃらないと思います。
(そういう電気系に疎い方は、「あれってバッテリーかなんかじゃないの?」とか思われてそうな印象もありますが、あれこそがアダプターなのです(馬鹿にしすぎかもしれませんが(笑))。
あぁ、PCを触らない人でも、スマホをコンセントから直接充電できるようなやつ(これは、アップル製品のイメージで、白いのが多い印象ですが)を触ったことがない方はいないと思うので、今はそっちの方がより印象大かもしれませんね。
スマホはコンピューターより必要電力は断然小さいですから、かなり小型な製品が多いと思いますけど、ほぼ間違いなく、あの手のコンセントに挿すやつには、「ACアダプター」や電圧関連の表記が表面になされていると思います(法律で定められてる?まぁそんな法律はないかもしれませんが、電気を使う危険物でもありますし、自主的に表示するのが企業の良心というものでしょう)。)
そう、こいつは結局何なのかというと……まず、家庭用の電気は交流電源であり、交流というのは発電所からの送電が容易で、インフラ構築には直流より交流が遥かに優れているといえるわけですが(ずーっと前に、偉大なるテスラさんの慧眼を見ていた光の記事でもチョロッと触れていました)、交流のデメリットとして電圧が安定しないという部分があるため、実際の電化製品では、不安定な交流電源では思うように動いてくれないということもあるんですね。
そこで、家庭用コンセントから得られる交流の電気を、機械が使いやすいような直流の電気に「変化・適応」させてやる必要があります。
結局、ACアダプターというのはズバリ、「発電所から送られてきた交流の電気を、デバイスが使いやすい直流に適応させてくれるやつ」という意味だったというわけです。
(なお、AC=Alternate Current(直訳で、「交互の・かわりがわり互い違いになる電流」)でズバリ交流のことで、一方の直流はDC(Direct Current) ですね。)
ちなみにせっかくなので関連して、全く関係ないですがコンセントについて……
コンセント豆知識で一番有名で、かつ知らない人が驚くのは、「コンセントの穴、よく見ると左右で大きさが違う」ってやつですかね?
これ、僕は高校の授業で触れたのが初めてでしたけど、それまでは当然全く知らなかったので、「んなわけなくない?」と思ったのに、実際に見てみてビックリ!
マジで穴の大きさが微妙に違うんですよね。
ちなみに電子工作が大好きなクラスメイトのオタクくんは当然知っていて、先生の「理由知ってる人いる?」との質問に、ピシっと手を挙げて「大きい方がアースで、小さい方が100 V」と、クラスのほぼ全員そもそも大きさが違うことすら知らなかったのに、そこまで知っていて「おぉ~っ、スゲェ~っ!」とみんなで感嘆したのも印象深い思い出です。
「え待って、コンセントって、どっち向きに挿しても良くない?コンセントの向きなんて意識したことないけど」と思われるかもしれませんが…
(というかそれよりも、多くの人は機械の電源ケーブルから出ている、例のプラスチックの先端と金属の二本の歯のことを「コンセント」と呼びがちですが、これは間違いで、コンセントというのは壁に付けられた穴の方で、金属の歯の付いた挿し込む方は「プラグ」と呼ばなきゃいけないやつですね。まぁ日常生活では、プラグのことをコンセントといっても絶対通じるし、そこはやっぱりいちいち指摘するコンセント警察にはなりたくもないですけど(笑))
…話が逸れましたが、向きについての話に戻ると、プラグの金属の歯の方は基本的には同じサイズ(もちろん、挿せなくならないように、どちらも小さい方に入るサイズですね)であり、普通は方向を気にしなくても、どちら向きでも挿せるようになっている、ということなわけですね。
(しかしもちろん、機器によっては、金属の歯の大きさが違う製品も存在します。ちょうど、大きな電力を必要とする実験器具とかはそうなっていることが多くて個人的には一方が大きくなってるタイプのプラグはなじみ深いんですけど、それ以上に、アメリカの製品は後述の理由で、基本的にそもそも向きがある(分かりやすい)形になっているといえるかもしれません。)
なお、「プラグのことをコンセントって呼ぶんじゃねぇ!」とコンセント警察は常に目を光らせているわけですが、何気にコンセントっていうのは和製英語であり、英語だとそもそも「コンセント」っていう言葉は全く通じないんですよね(笑)。
英語だとconsentは「同意」という意味なので、「コンセントどこですか?」とか「コンセントが必要なんですが…」を、英語でそのまま「コンセ~ントゥ」とか言ってしまうと、「同意はどこ?」「同意が必要だ」となってしまい、「何やコイツ…」と思われて終わりなので注意しましょう。
(じゃあ何で日本語では「コンセント」なんだよ、紛らわしいことしやがってクソがよぉ…!と思えるわけですけど、これはどうやら昔電化製品が海外から輸入された頃、concentric plugという名前が使われていてそれに由来したことの名残だそうで、concentricは、con-(共)centric(センターの・中心の)で、「同心上の」みたいな意味ですかね。
あるいは、より「コンセント」という響きを感じるよく聞く英単語といえばconcentration(コンセントレーション=集中する(とか、実験系では「濃縮する」という意味でめちゃんこ使います))がありますが、concentricにも関連して「集中化」的な意味もあるようなので、「電力を集中する」という意味で使われていた用語なのかもしれませんね。
いずれにせよ現在は使われていないので、中途半端な言葉が日本でだけ残ってしまったパターンでしょうか。)
では英語ではどう言えばよいかというと、まぁ、一番使われるのは「outlet(アウトレット)」ですけど、アウトレットって何かショッピングモールのセール的な気がしちゃいますし、僕はあえて「Power outlet」って言うことが多いですが、もちろんoutlet単独で普通に通じるし、むしろそちらの方がより使われている感じですね(「アウトレット」自体は「出口」という意味でしかありませんが、日本語だと「キズモノなどのセール」という意味が、英語だと「電力の出口」が一番よく最初に浮かぶ意味になる感じですかね)。
ちなみにアメリカのコンセントといえば三穴式になるのですが、しかし三穴といっても、実は日本と全く同じ例の二穴に、もう一つ余計な穴が下に追加された形式であり、嬉しいことに、日本式の2ピンプラグのケーブル(何気に僕も、こういう文脈だと「2つのピンが出ているコンセントは…」と書きたくなりますが(笑))は、普通にそのまま挿し込めるようになっています。
とはいえ日本の電源は交流100 Vであり、アメリカは120 Vと少しだけ電圧が高くなっているため、直接使うのは若干危険というか、(多分使えるものの)長期間使うと故障の原因になる……わけではありますが、しかし実は、何気に、基本的にアメリカに持ち込みたい電化製品なんてパソコンやスマホの電源・充電器とかでしょうから、こいつには先ほど触れていた、ACアダプターが付いていることにご注目といえましょう!
例の、ACアダプターに必ず表記されている情報を見ると、基本的にほぼどんなものでも「INPUT(入力): 100-240 V」などとなっていると思います。
つまり、ACアダプターくんは、日本の100 Vだろうとアメリカの120 Vだろうとヨーロッパの240 Vだろうと(まぁ、ヨーロッパはコンセントの形が違うことが多いので、そのままでは使えないことも多いですが…)、キャッチした交流電源をきちんとパソコンやスマホが使える電流に、自動で変換してくれるんですね!
凄いぜACアダプター!!
これからはACなんてしょぼい称号ではなく、「SSR(スーパー・スゴクテ・アールィガタイ)アダプター」とでも改名してはいかが…?
ちなみにアメリカの三番目の穴は、これまたアース用の安全装置だそうで、基本的にはここには何も挿さっていなくても全く問題ありません。
むしろ、ちょうどこないだ何かの話題トピックなんかで目にしていたんですけど、「アメリカの3ピンプラグを使いたいのに、コンセントが二穴で挿すことができない」ような場合…
(ちょうど、いらすとやにも3ピンプラグのいらすとがありました。
…コンセント警察に逮捕されそうな説明文ですが(笑)それはともかく、まさにこういう、おなじみの穴あき金属2枚歯の下に、余計な丸い金属棒が付いている感じです。)
…この第三の丸棒は単なるアースでしかないので、「金属やすりでゴリゴリ削って挿せるようにしちゃえばいいらしい、電気技師の旦那が言っていたから正しいんだろうけど、マジ?!」……的な笑い話を目にしましたけど、実際、この第三の丸棒アースを削ったりへし折って邪魔にならないようにしても、基本的には電化製品の使用には何も問題がないとのことですね(笑)。
じゃあ何のためにいるんだあの邪魔な棒は(笑)と思えますが、まぁいざというときのための安全装置なわけですけど、基本的には漏電や突発的な停電とかで火災とかなんて滅多に起こりませんし、邪魔なだけでしかない、嫌われ者といえるかもしれません(笑)。
(もちろん、家電店には、3ピンプラグを挿して2ピンにするための変換装置(これもまさにAmazonリンク先の商品名にもある通り、「アダプター」といえましょう)もありまして…
…こういう、手前側(画像右)に3ピンプラグを挿したら、出口側(画像左)は2ピンになるという便利な一品ですね。
結局やっぱり、3ピンなんてこうして使っても問題ないので、要らない子扱いともいえるわけですが(笑))
(ちなみに、この3ピン目があるから、アメリカのプラグには向きがあるといえますし、実際、ちょうどこの画像でもそうなっている通り、アメリカの電気機器は基本多くの製品のプラグで左が大きくなっている感じです(むしろ、もっとデップリと膨らんでいる印象があります)。
もちろん、日本のコンセント(穴)もちゃんと向かって左が大きくなっているので、こいつを日本のコンセントにぶっ挿すことも普通に可能だということですね。)
…あっと、コンセントに逸れた結果、アダプトについて触れないまま、結構なボリュームになってしまいました!
何気にアダプトから関連して、もう一つ派生ネタにも行こうかなと思える話があったので、アダプトの区別についてなどから、続きはまた次回にさせていただきましょう。
今回のアイキャッチ画像、Amazonの現物で十分だったのでいらすとやの方は要りませんでしたが(笑)、まぁイラストの方が温かみがありますし、3Pプラグのイラストを記事アイキャッチ用に使わせていただこうかと思います。