人と物の違いに気を付けよう

それでは、All setの記事(↓)にいただいていたコメントに触れて参りましょう。

con-cats.hatenablog.com

 

コメントは例によってアンさんよりです。

いつも温かく面白いコメント、本当にどうもありがとうございます…!

 

All Set‼︎も聞いたことありますねぇ。使ったことはないですが…

All Setの場合は、「全て完了しました」の意味でYou're all set!!なんですね。

そう聞いたらそうなんだってわかるんですけど、なんとなく、「You're」って出てくるかな?って思いました。同じ「おしまい!」の意味なら「It's」じゃダメなの?って感覚ですね。まぁ、主語が曖昧な日本人ですから…(いや、、私がわかってないだけですね笑)


う~ん、相変わらずGood questionですねぇ~。

ちなみに実際はもっと早口というか、適当フレンドリーなアメリカ人の口からは、前回の記事でもちらっと書いていましたが、「Y'all set.」ぐらいの感じで短縮されて言われることが多いですけど、いずれにせよ主語はYouで言われることが多いフレーズとなります。

まぁ「ことが多い」というか、僕はそれしか聞いたことがないんですけど、でもよく考えたら「all set!(全てセッティング完了!)」なのは、「君はもう全てが完了した状況!」という意味以外にも、物事がそうだと言っても別に問題ないしな…と思えたので、ちょっくらインターネッツを調べてみました。

残念ながらメインのポイントは「You're all set」と「It's all set」の違いではなかったですけど、この両方のフレーズが登場するトピックが、またまたWordreference.comのQ&Aフォーラムで見つかりました。

こちら(↓)ですね。

forum.wordreference.com


早速翻訳引用させていただきましょう。

 

jokaeck(質問者:中国語(香港)話者):All set vs. done

A. ミーティングのスケージュールを次の月曜の午後1時に変更してもらえますか?

B. OKです…「It's all set」または「It's done」

これは、どちらも正しいのかな?もしそうなら、どちらがより一般的といえる?回答よろしく、どうもありがとう。

 

JustKateアメリカ合衆国インディアナ州インディアナポリス在住・アメリカ英語話者):

どちらもOKなんだけど、でも、どちらも自分ならそうは言わないかな。jokaecさんは、「all set」と「done」の違いに興味があるのかい?これらは同じような状況で使われるけれども、全く同じ意味ではないといえるよ。

 

jokaeck(質問者、以後全て、一つ上のJustKateさんのコメントへの返信):

JustKateさん、ありがとう。

「どちらも自分ならそうは言わないかな」とのことだけど……ではこの場合、何がオススメの表現なんだい?

 

JustKate

まぁ、私は勝手に他人の物語を書き直したくはない(というか、すべきではない😀)んだけどね。この質問で一体何をしようとしているのか、教えてもらえる?つまり、現実的な対話文を組み立てようとしているのか、それとも「all set」と「done」の使い分けを見極めようとしているのか、どっち?。

 

jokaeck

現実的な対話文を組み立てたいんだ。協力してもらえる?

 

JustKate

うーん、正直なところ、Bが「Okay」と言ってからAにミーティング時間を変更したことを知らせるまでに少し時間があったとして、私なら、挙げられていたフレーズはどちらも使わないかな。自分であれば、「I've rescheduled that meeting.(ミーティングの時間変更を行っておきました。)」と言うだけだろうね。そうしないと、「it」が何を指しているのか、判断できないから。

もしお願いされた直後のことであれば、「You're all set.」と言うかもしれないね。これはかなりインフォーマルな(カジュアルな/くだけた)言い方だけど。

 

jokaeck

JustKateさん、ありがとう。

もしお願いされた直後のことならば、「It's all set」と「You're all set.」はどちらも正しいといえる?

 

JustKate

もちろん。3つとも全部(最初に提案された2つと、私が提案した「You're all set」)、どれも「正しい」ものだよ―単に、私なら何を言いそうかな、というのが問題なだけだね。

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…ということで、実際にアメリカ人の目からすると、「It's all set」も普通に正しい言い方ではあるけれど、括弧(クォーテーションマーク)付きで「正しい」とされているし、レスの内容からしても、やっぱり普通は「You're all set」と言うんじゃないかな、って気がしますね。

でも、「It's all set!」と言っても決して間違いではないし、きちんと通じると思うので、あまり正式かどうかなんていたずらに不安がらずに、好きな言い方をするのがやっぱり改めてベストではないかと思います。


ただやっぱり、日本語的には「完了」したのは物事の方であり、「それ(タスク)が完了しました!」と言いたくなるのが人情である一方、英語のスタンスは多分真逆で、やっぱりどんな時でも主役は人であり、「(処理を待っている)あなた自身はもう全部の任務完了!」みたいに、主語を人間にできるものであればできる限り人間にすることの方が多いのかな、っていう気もするかもしれませんね。

 

ちなみにこの質問をいただいて、実は調べる前までは「It's all setなんて聞いたことがないな。多分、間違いでしょう」と書こうと思って、「似たような例で、主語の使い分けを注意しないと完全に間違いになる…というか意味が変わってしまうものといえば、これも要注意ですね」と書こうと思ったネタが浮かんでいました。

実際は「It's all set」は問題ない表現だったので、それとはちょっと違う形になったのですが、ズバリ、感情を表す形容詞についてですね。


こちらは学校の英語でも習うことで、「そういえば聞いたことあるかも」という方も多いかと思いますが(でも、教わったことを全部ちゃんと覚えてる人なんて存在しませんし、僕も、あえて今の状況みたいなのじゃなければ、とっくに忘れていたでしょう)、実際意識しないと日本人はめちゃくちゃ間違えてしまいがちであるポイントではないかな、と思えます。

僕も、一応そこは完全に理解はしているものの、注意しないと未だにうっかり間違った方を使ってしまいがちと言えますねぇ~。


…と御託はともかく、具体例でいうのが一番分かりやすいですけど、パッと浮かんだ単語だと、「興味・関心」という意味の単語「interest」なんかを例に挙げてみると、こいつは形容詞型(正式には分詞だと思いますが、まぁ細かい話はともかく)として、「interesting」と「interested」という、「~ing」と「~ed」の2種類が存在するわけです。


ここで、「(物事)は興味深いね!」と言いたいとき、つまり物事を主語とした、例えば「この本は興味深い!」と言いたい場合と、「(私)は…に興味がある」と言いたいとき、つまり人を主語として「私はこの本に興味がある」と言いたい場合とで、どちらの語を使えばよいか、英語ではしっかりと両者を使い分けする必要があるという話ですね。


正解から書くと、

  • This book is interesting.
  • I'm interested in this book.

となりまして、ズバリ、この類の感情を表す-ing/ed型の単語、原則として、

  • 「物 is -ing」
  • 「人 is -ed」(もちろん自分のこと、I なら「I am -ed」)

であることを抑えておく必要があるわけです。

 

まぁ最初の例で挙げたこの「interest」は、熟語として「be interested in」というのを覚えさせられるので、普通に「I'm interesed in (物事)」と間違えずに書くことも多そうですけど、他にはそうですねぇ、あぁ、単語としてもっと馴染みがある、excite!

こちら、「エキサイティングだね!」とかよく日本語でも言いますし、「私は興奮している/盛り上がっている」のつもりで、「I'm exciting!!」は、恐らく英語に不慣れな日本人の場合、ほぼ大多数の方がそう書いてしまうのではないかと思われますが、これは間違いなんですね。

「人は-ed」なので、これは、「I'm excited!!」と書かないと、盛り上がっている自分の気持ちを表すことはできないというわけなのです。

(もちろん逆に、「このゲーム、盛り上がり凄いね!」の場合、「This game is excited!」は誤りであり(まぁ普通そんなミスはしないと思いますが)、「This game is exciting!!」なら、これは完全に正しい用法ということになります。「モノ is -ing」の原則通りですね。)


他にも、surprise(驚き)という語の形容詞を使って、「あぁびっくりした~」と言いたいなら、「I'm surprising!」は間違いで、「I'm surprised!」と言わなきゃいけませんし(でも、これは日本語だと「びっくりした」という言い方そのものが過去形っぽいので、普通にsurprisedと書く人も多そうです。やっぱり、「興奮している!」と、現在進行形っぽい響きからついついingにしてしまう「エキサイティング」が一番の鬼門ですかね?)、その他このタイプの感情形容詞は、いくらでもありますね。

検索したらちょうど、7問ほど練習問題まで用意してくれているページがあったので、参考までにリンクを貼っておきましょう。

www.ecenglish.com

 

ちょうど↑のページにもよく使う語の一覧がありますが、「いらつき」のannoyや、「退屈」のbore、「満足」のsatisfyなど、やはり感情を表す語句というのは日常生活に結びついていて結構利用頻度もあるものです。


改めて、「人間が主語=内面から湧き出る感情を表す際は-ed」で、「物事が主語=その物事の性質を表す際は-ing」ということですね。


とはいえ人間が主語のときは必ず絶対-edかというとそうとも限らず、あくまで文脈によっては-ingで表せる場合もあります。

つまり、例えば「He is exciting.」と書いた場合、人+ingの形になってしまってますけどこれは必ずしも間違った英文ではなくて、この英文が意味する所は、「彼の性質」を表す、「彼は見ていてワクワクするような人だ」ということになるんですね。

一方、「彼は盛り上がっている」という彼の内面について語りたい場合、こちらは「He is excited.」と、-ed型を使う必要があると、そういう使い分けだということです。

 

ということで、必ずしも間違いじゃないし、文脈に応じて使い分ける必要があるのは当然なんですけど、やはり感情表現なんてのは自分のことを語る場合が多いですし、原則として、「I am -ed」、「Something is -ing」と、人=ed、物事=ingと覚えておくと、咄嗟の際に間違って使わないで済むのではないかな、などと思います。

(例えば一番まずいミスとしては、退屈のboreなんかで、「あの子、退屈してそうだね」と言いたい所を、ついうっかり「She looks boring.」と言ってしまうと、彼女の性質を表している、つまり「彼女は退屈な(つまらない)人間に見える」という侮辱発言になってしまうため、これは由々しき問題につながりかねません…!

 正しくはもちろん「She looks bored.」ですけど、まぁぶっちゃけ、そんないきなり「あの子、つまらん人間よな」とか言うわけがないのは文脈から明らかですし、こんなミスをする人がネイティブレベルに流暢な英語なことは間違いなくないですから、「あぁこの人は英語に不慣れで、boredと間違えてるんだろうな」と気付いてもらえるでしょうし、やっぱりそんなにミスったら即アウト・人間関係終了のお知らせみたいなものでもないわけですけどね…!)


ということで、今回は主語と述語の選択についてでした。

アイキャッチ画像、今回も特に何もなかったので、エキサイティングなイラスト=野球観戦の絵でも苦し紛れに貼っておこうかな、と思ったのですが、「野球」でいらすとやを検索してみたら、これ↓が目に付きまして、しかも説明が「コンダラをひく野球部員のイラスト」と、「やっぱりこれコンダラなんだ(笑)」と面白かったので、全然関係ないですが、今回はこちらを採用いたしましょう(笑)。

何が面白いかって、これ、「コンダラ」なる物体の英語あるいは外来語はこの世に一切存在していなくて、では一体何なのかというと、昭和を代表するアニメ『巨人の星』のOPテーマで、「♪思い~込んだ~ら~」を、多くのチビッ子たちが「♪重い~コンダラ~」と勘違いして、それがそのままこの重そうな整地ローラーの正式(?)名称になった…という信じられない逸話から生まれた言葉だそうで、言語学的にとても興味深い例ですよね、これ(笑)。

ちなみにWikipediaによると、このコンダラは正しくは押して使うものであり、事故防止に決して引いて使ってはいけないそうで、色々突っ込みどころ満載のイラストになっており流石はいらすとやといえそうですが、そもそもこいつの姿形が実際何となく「コンダラ」っぽいのも面白ポイントですね。

まるで関係ないですが、最後はコンダラネタでした(笑)。

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