面白い心理実験

今回は、随分溜まっているここ最近の記事でいただいていたコメントに触れようかと思いましたが、前回の記事をアップ後読み直していて、1つ、「あっ、書こうと思って忘れてた」って話があったので、そちらに触れるとともに、何となく思いついた脱線ネタにも話を広げてみようかと思います。


触れようと思ってて忘れていたのは、English nameうんぬんに関連した話で、ズバリ、ミドルネーム

前回「日本人で英語名を名乗ってる人は周りにはいないなぁ」と書きましたが(まぁ、周りにはいないだけで、普通に、世の中見渡してみたら、別にそんなに不自然なことでもなく、実際は結構いらっしゃるんですけどね)、名前にミドルネームとしてイニシャルを足す方、特に研究の世界では論文を発表する際、母数の多い苗字&名前の方だと同姓同名で全く区別がつかなくなることも多いので、別に普段は人から呼ばれることとか名乗ることはなくとも、そういう場であえて自分オリジナルのミドルネームを付ける方も割合よく見かけるのです。


例えば、試しに論文データベースPubMedにて、「Sato」で検索してみたところ、新着順表示で、上からすぐ、つい先日1/31に公表された論文で、近大の佐藤さんがMitsuo P Sato(データベース上ではしばしばファーストネームとミドルネームはイニシャル表示なので、Sato MP)とされているのが目につきました。

学術的ではない、こんなしょうもないネタで取り上げるのも申し訳ないですが、こちらですね(↓)。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

「Sato M」で検索したら大量にヒットして自分の論文が埋もれて発掘するのも大変ですが、Sato MPとすることで、被りなしで自分だけをヒットさせることができるわけですね。
(筆頭著者として「Sato」だと、18608件、「Sato M」だと2189件、そして「Sato MP」だと6件(↓)で、恐らく現・近大所属の佐藤さんご本人のみのヒットといえましょう。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
…ところで、先ほどの佐藤さんの論文の所属(Affiliation)を見て思い出しましたけど、近大の英語表記は「Kindai University」なんですよね。

笑っちゃいけないですが、これ、「Kinki」とすると、響き的に英語圏の人には良からぬ名前に感じてしまうのが主な原因ということで(参考、日経の記事(↓)など)、近畿には何の罪もないのにちょっと可哀想な気がしちゃいますねぇ。

しかしこれを聞くとKinki Kidsは大丈夫なのか…?って気もしますけど、まぁずっと変わってないなら大丈夫なんだろ、って話でしょうか(キンキキッズの場合は、英語圏での活動もほぼないでしょうしね)。)

www.nikkei.com

ミドルネームについては、僕はミドルネームも使ってませんけど、大学院の頃、所属研究室の助手の先生が(僕が大学院にいたちょうど途中ぐらいに、「助手」は「助教」に変わりましたが)、研究室内で唯一論文投稿の際にミドルネームを使ってる感じで、それが「Z」だったのです。

今思えば、先ほどの佐藤さんのように単に分かりやすくするためのミドルイニシャルだったのでしょうから別にからかったりするような話でも何でもないですけど、その助手の先生は、ド金髪の、結構怖い感じでそういう気軽な日常話も中々しづらい方だったので(恐らく今の僕より年齢は下だったと思いますが……ちょうどいい例えのキャラがいなかったんですけど、「金髪 センター分け」で検索したらヒットした沼田マナブくんというキャラが多少近かったため、それにちなみ、仮名で沼田さんとしましょう。論文で表記する名前は「Manabu Z. Numata」だった、って感じですね。)我々学生たちは「何でゼットなんだろうね?(笑) ドラゴンボールかな?(笑)ジオン軍かな?(笑) いやどっちも沼田さんはあんま好きそうじゃないだろ(笑)」とか、学生同士の飲みの席や夜中スタッフが帰った後の休憩室の雑談とかで、何か罰ゲームをするような際「じゃあ罰ゲーム、沼田さんに『何でゼットなんですか?』って聞いてくることな(笑)」とかいう感じでキャッキャしてましたけど、結局、マジで結構気難しいタイプのインテリヤクザ的な怖い感じの方だったため、最後まで誰もそんなカジュアルな質問は出来ずじまいで、毎度話に出てくる罰ゲームもついぞ実行されず、Zの謎は謎のままで終わってしまったのでした(笑)。

まぁ先ほど書いた通り、普通に「どうせミドルネームを足すなら、あんまり使われない文字にして他の人と区別をはかる」ってのが意図でしょうし、深い意味はなかったのかもしれませんけどね(笑)。


あぁでも、最後2年一緒だった後輩が、雑談している時に「塾講のバイト時代の教え子にこないだ「ジブラは卒業したらどうするの?」って聞かれてぇ……あぁ、俺塾講の頃、教え子にZeebraって呼ばれてたんすけどね…」みたいな話も聞きましたし、人によってはニックネームでZがつくこともあるかもしれないのかな、なんて、その会話している時に何となく沼田さんのミドルネームにも思いを馳せた感じでした。
(僕とその学生は、同じ研究室でも直接沼田さんの下についていたわけではなかったので(複数の指導スタッフがいる、結構大型の研究室でした)、あんまり沼田さんとは接点もなかった形です。
 直属の指導教官でもなかったし、空気を読まずカジュアルな質問とかするのも何気に得意だったので、沼田さんにZの質問、気になって今でもモヤモヤしちゃうぐらいなら、しておけばよかったですね(笑))

 

…と、ミドルネームの話はその辺に、あとは前回書いていた「名前を見て、初めて聞く名前でも、不思議と男女の違いは何となく分かりますよね」という旨の点でふと思い出したネタに、面白い心理実験の話がありました。

沼田さんのゼット話(謎のまま)だけではなんなので(笑)、せっかくですし、そちらに話を広げてみましょう。


それがズバリ、ブーバ・キキ効果と呼ばれるもの!


僕は学部前期課程の選択講義で心理学系の講義も面白そうでよく取っていたため、そこで初めて聞いた気がしますが、ネットでも結構話題になっていたことがあったように思うのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。

これは非常に簡単なもので、「この2つの絵(↓)の名前、どちらかがブーバでどちらかがキキです。どちらがどちらでしょう?」という単純明快な問題なんですけど…

f:id:hit-us_con-cats:20220202061959p:plain

https://ja.wikipedia.org/wiki/ブーバ/キキ効果より

Wikipeidaの図にもある通り、これが面白いことに、国・文化・母語を問わず、地球上ほぼ全ての人間が、「トゲトゲがキキ、丸いのがブーバだ」と思う、と回答したというものなんですね。


もちろん僕も、どう見てもそう思えるわけですが、冷静に考えると、これマジで不思議ですよね。

人類共通の共感性といいますか、英語なら「Bouba/kiki effect」、中国語なら「波巴/奇奇效应」(いやでもこれはちょっと、漢字が形を表してそうで卑怯じゃん?とも思えましたが(笑))、韓国語なら「부바/키키 효과」(ハングルは読めないので全く不明!)、アラビア語なら「تأثير بوبا/كيكي」(最早何文字なのかも不明(笑))…と、どの言語であっても、必ずブーバに近い音が丸、キキに近い音が角になるということで、これは本当に面白いですね…!


世界中、98%を超える大多数が同じ答だそうですけど、むしろ逆に、2%弱の逆の人は、わざとウソをついた逆張り天邪鬼マンなのか、あるいは本当に共感性の欠如がある人がその程度存在するのか(まぁ実際、「ブーバが丸」ということの根拠も論理もないわけで、逆であることをもって「共感性の欠如」とするのも乱暴ではあるかもしれませんけど…)、そちらの方が興味があるともいえますね。


心理学や言語学ってのも、本当に面白い研究対象といえましょう。

僕が他に知ってるのでいえば、「茶」という言葉、あの「葉を浸して抽出する香り豊かな液体」、これのことは、世界中どの国でもなぜか「ちゃ」か「てー」かそのどちらかに近い音で呼ばれている、という話を聞いたことがありますが…

Wikipediaにも載っていますね。

ja.wikipedia.org
東洋が、日本を含め「ちゃ」系統、一方、西欧が、teaのように「てー」系統だということですね。)

…まぁでもこれは、原産国があって、そこでの呼び方が広まっていった、と考えればそこまで不思議でもないかもしれませんね。


それ以外にも、そもそも「名前」という言葉自体が英語でname、「なめー」ととても近いのも面白いですし、「外国語由来でつけた」ではなく、全く違う言語で偶然近い音の単語になった、っていうものも散見されるわけですが、その辺は検索してみたらこちらのブログ記事(↓)にいくつかまとめてありました。

wpno.jp
「名前」や「茶」も挙がっていましたが、他にも色々ありますねぇ~。

まぁ「簿記」は、確か夏目漱石さんがBook keepingをもじってつけた名前だと思うので、これはただ外来語由来なので偶然ではない気がするものの、「buyと買」とか、「なしとnothing」とかも、そういえばそうだなと感慨深い限りです。


それとはちょっと毛色が違いますけど、「夢」と「dream」が、どちらも「寝ている時に頭の中で描くやつ」と、「将来こうありたい、と願うやつ」という、全く違うように思える別の意味を表すものなのにどちらも全く同じ単語に割り振られている…っていうのも、実に不思議で面白いんですよねぇ~。


言語、そして名前というものの神秘性を感じます。


そんなわけで、改めて名前が与える印象というのは非常に強いものがあり、名前は大切だ、ということで、何度か書いていますがそろそろブログ以外にも新しい活動にも手を出してみようかな、と考えているところなのですが、これを機に改名するのも悪くないかも…?

こないだも書いた通り、どうも「紺助」って、自分でつけといてなんですがイマイチ気に食わないんですよねぇ…。

ま、その辺にも触れてみようと思いましたが、記事も無駄に長くなっていたので、またそれもいずれ改めて考えてみようと思います(色々考えて、結果、まぁ今更改名なんてせんでいいか、ってなりそうですけどね(笑))。

 

あと言語ネタに関しては、ついこないだ(新年お正月でしたか)、ツイッターで話題になっていた話がとても面白かったので、ただ「話題になっていたネタを紹介する」だけですけど、こちらにも触れさせていただくとしましょう。

(以下、ツリーとして、リンク先に話が続きます。)


非っ常~に興味深いですね。

僕は、この「『は』に濁点をつけるとどうなるか?」は幼少期含め全く何も疑問に思わなかったので、こういうことに疑問を感じる子供は、感性が鋭そうで凄い!音へのセンスがとても良さそうだから、そういう所をしっかり伸ばしてあげて欲しいなぁ…!と思えてやみません。

この一連のツリーでは、ツイート主の押田さんが参考にされた書籍『ちいさい言語学者の冒険』の作者の広瀬友紀さんからのリプライももらえていたようで、こういうつながりを見られるのが、SNS本来の素晴らしい使い方といえそうですね。

とても面白い、最高のツイートツリーでした。


あと、これも全然関係ないですけど、心理系の実験で印象に残ってる話としては、サリー・アン課題とかがありますね。

どこかで掲載された画像を引用されているブログからのさらに転載ですが…

f:id:hit-us_con-cats:20220202065103p:plain

https://ameblo.jp/marbled-sunday/entry-12691424699.htmlより

僕、これ、確か未就学児・幼稚園の頃、親が図書館で借りてきた本か何かに載っていたので考えたことがありましたけど、当時の僕は、どれだけ考えてもクリアできなくて、結局最後まで納得いかないままだった記憶があるんですが、当然今見たらあまりにも明らかなので、「あぁ幼少期は、こういう単純な『他人の立場に立って考える』ことすら、できなかったもんなんだなぁ」と感慨深いものがありますね。


ちなみに、これの発展型として、「アイスクリーム課題」なんてのもありますね。

https://sengakuhisai.com/ice-cream-kadai-towa/より引用)

ジョンとメアリーは公園にいます。
公園にはアイスクリーム屋さんの車も来ています。
メアリーはアイスクリームを買いたかったですが、お金を持ってきていませんでした。
アイスクリーム屋さんは午後も同じ公園にいるというので、メアリーはお金を取りに戻りました。

しばらくして、アイスクリーム屋さんは教会に行くとジョンに伝え、移動しました。
その途中、メアリーの家の前を通ったアイスクリーム屋さんは、メアリーにも教会に行くことを伝えました。

しばらくして自宅に戻ったジョンは、宿題のことで聞きたいことがあり、メアリーの家に行きます。
しかしメアリーはすでにアイスクリームを買いに出かけていました。
ジョンはメアリーを追いかけて行きました。

【問い】
「ジョンは、メアリーに会うために、どこに向かうでしょうか?」

こちらは、大人の方でも一定数は正解が導き出せないそうで、まぁ心理実験というより、ADHDテストに近い感じのため、あんまり書いてて面白いものでもなかったかもしれませんけど、こういう類のよくできたテストは人間の思考や心理を見る上で、とても面白いですね(funnyというより、interesting)。
(なお、僕はアイスクリーム課題も、今は普通にパスできますが、子供の頃、小学校低学年ぐらいだったら、絶対に無理だったでしょうね…)


なお、アイスクリームといえば、これまた似たような話で、ドラえもんの「のび太ジャイアンの、50円と100円アイス論争」の話がめっちゃ印象的で、これも、僕は小学低学年の頃に読みましたが、のび太の詭弁のおかしさが理解できず、「たしかに、のび太のいう通りだ!不思議!!」と完全に騙されたものでした。

ネットを使い始めたときにめっちゃ大好きだったドラえもんのファンサイト「変ドラ」に、ズバリこのエピソードにじっくり触れていただいた回があったので、紹介させていただくとともに、のび太による、詭弁を越えた詭弁の該当シーンの画像を保存&転載させていただきましょう。

hen-dora.com

f:id:hit-us_con-cats:20220202070751p:plain

(上記変ドラ記事掲載、ドラえもん9巻より)


色々なネタに触れたついでに、最後もういっちょ、似たような面白いテストを紹介して終わりといたしましょう。

labaq.com
僕は、「正答」といわれるものに全く発想が至りませんでしたが、これはその方がいいかもですね。

なるほどねぇ~、と思える、面白い問題でした。

今回ちょっと時間がなくて、最後のネタ他もうちょいじっくり触れたいものもあったんですが、まぁリンク先でしっかり触れられていますし、紹介程度で十分かな、って感じでしょうかね。

次回はまた、コメントに触れさせていただく回にでもしようかな、と思っています。

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