エリクサー症候群とエントロピー

事故ネタから自転車の話になり、もういっちょまた別の過去事故ネタも振り返ってみようかなと思っているのですが、今回はこないだのCESネタ最後の記事でいただいていたコメントで1つ広がりそうなネタがあったので、そちらに触れてみるといたしましょう。

順番メチャクチャにも程がありますけどね(笑)。

コメントは、おなじみアンさんよりいただいたものです。

返す返す、いつも本当に温かいメッセージ、誠にありがとうございます…!


あぁ、最早前のことすぎて何の話だったか不明な感じかもしれませんが、具体的には、「LEDのテープライトは、切ることも可能なやつがある!」→「工作すれば切った方も使えるらしいけど、元通りにつなぐことは不可能だし、そういう、取り返しがつかない系・変えてしまったら元に戻らない系を自分の意思で切ったり曲げたりするのがとても苦手。例えば刃を折るカッターナイフとかね!」というネタについてですね。

カッターナイフは、もちろん折るものやでぇ~笑

なぜかはわからんちんだども、わりと昔から普通に知っとったばい。一般常識くらいに思っとったわけじゃが……異端か?笑


刃に切り取り線が入っとるっしょや?

なんなら今でも現役で折っとるがね~。(職場で) 

ちなみに、うちにあったカッターナイフはこちら↓

(画像をアップしてくださいましたが、私有物ですし、プライバシー保護のために省略……まぁ、普通のカッターなので、プライバシーも何もないですけどね(笑))

やっぱりオルファやねぇ。


しかも、「現役で折ってるぜ~!」なんて言いつつ、刃は一度も折っとらんようやな笑

(いつ買ったのかも記憶にないくらい、ずっと昔からあるんじゃけどね…)

 

あ、これって、後ろの刃を取り出す際の蓋の部分を使って折るってご存知やったっちか?

その部分には刃をかます切れ込みが必ず入っとぅと。

10回くらいは折れるさかい、一度も折ったことがないならカッターナイフ9個分(え、90個??)は損しとらぁね笑

まぁ、人生でカッターナイフを買うこともそうそうないやろけどな。

 

え?取り返しのつかない系は切れない??

それは、失敗したらどうしよう…的な意味でイモる感じなんけ?笑


うーん…取り返しのつかない系、、変わっちゃったら戻せないものって、、他に何かあるべか?ちょっとピンとこないっぺやねぇ。


切って使うものとかは基本的に抵抗があるってことなんかえ?

変えたくないってことは、そのまま使えるようなもの??

開けたらもう閉められない缶詰とかは??

閉めなくていい状況になるなら(中身を食べちゃうとか)、問題はないんかね。

なんちゃら恐怖症的なやつやっちか??

いや、別にいいんじゃけぇど…笑、私が同じシチュエーションで出来ないとしたら、「ほんまにいいの?」ってイモってるんだろうなぁって思ったので笑

 

へぇ~、カッターの刃を折るの、普通にご存知だったとは、意外です。

やっぱり、常識…?

お尻で折るのも、僕は小さい頃にその「カッターは折って使えるんですよ!」的な話をやってたテレビ番組だかで見たので知っていましたが、そういえば自分で実演してみたことはないですね。
(あぁ、それを見て一度だけやってみた気もしますが、子供の弱い力だったためか上手く切れずに、「え?むしろ切り辛くなった??」と失敗した記憶もあります。)


そう、確かに、カッターを使う場面すらないので、折りたくても折りようがない(場面がない)という方が正確かもしれません(笑)。

結局の所、一般人が紙切る用途で使うぐらいだと、そもそもあんまり切れ味が悪くなることすらないんですよね、カッターって。

…まぁそれはカッターをあんまり使わないカッターにわか組の意見で、ガチ勢からあしたら「アホか、切れんくなるわ!」って話かもしれませんが(笑)、しかし、今改めて周りを見てみたら、こちらアメリカでも斜めに切れ込みの入った、折ってくださいといわんばかりのカッターナイフが目につきましたけど、これ、「折る刃」でオルファという名前にしたぐらいなんだから、日本発で日本人が産みだしたもの…?

…と気になったので調べてみたら、普通にオルファ創業者岡田さんの発明が世界に普及した形だったんですねぇ~。

www.olfa.co.jp

偉大!

というか、カッターって、むしろ折らないタイプを見たことないぐらいな気がしますけど、オルファがそれだけシェアもってる、ってことなんですかね…?

先端が錆びたりしてしまって、どうしても必要なら、サクッと(パキッと?)折れる男になりたいものです(笑)。

(いやまぁ実際明らかに切れ味が悪くなって、どう考えても折れば復活するなら、普通に何の躊躇いもなく折ると思いますが(笑)。
 後述の通り、カッターの刃が折れないうんぬんは、「取り返しがつかないものはうんたら」系の話の例としてはあんまり良くなかったかもですね(笑))

 

そういえば、実験ではゲルを切り出すときとかにブレードを使いますが、これは一枚刃のカミソリ(剥き出しの刃)なんですけど…

(今研究室にあるやつは、確認したら、まさにVWRのこれでした(↓)

f:id:hit-us_con-cats:20220127065443p:plain

https://us.vwr.com/store/product/4548306/vwr-razor-bladesより

 カミソリ系のことは英語でRazorと呼びますが、LとRの区別がつかない日本人的にはずっと「刃物はレーザー光線みたいに鋭いから?」とか思ってたんですけど、レーザー光線はLaserなので全く無関係でしたね!

 実際は、こんな風に硬めのボール紙に包まれたブレードが100枚ぐらいセットで売られてる、って感じです↓(こちらの画像は微妙に型番の違う商品ですが)。

f:id:hit-us_con-cats:20220127065457p:plain

https://us.vwr.com/store/product/37183705/vwr-single-edged-razor-bladesより

 ちなみに、値段を確認したところ、大学の契約価格で、100枚入り1セットが9.67ドル=約1000円でした。まぁ、安い…?)

…多くの人が使ったらポイで、ゲル切り出し用の、研究科みんなが使う共通スペースの刃物捨てなんかには、ピッカピカのブレードが大量に捨ててあって「もったいねぇ~!」といつも思っています(まぁ、1枚たかだか10円程度ですけどね(笑))。

まぁ値段はともかく、どう考えてもピカピカ切れ味抜群の刃が捨てられているのは資源的にも何とも忍びないですし、折ってまで使うオルファの精神を見習って欲しいものです!

なので、無駄を嫌う物持ちのいい僕なんかは、利用後はエタノールで拭き拭きして再利用してますからね。…なんて地球環境に優しい男!(笑)

(本当は再利用を想定していない商品なので、剥き出しのヤイバで危ないですし、捨てる方がむしろ正しいんですけどね…。でもあまりにも勿体ない!)


まぁ、それでも、何事もモノというのは使えば劣化するもので、徐々に切れ味は落ちていく気もしますけど…

(流石に、ちゃんと拭いて錆びないようにしていれば、ゲルが切れなくなるなんてことはまずありませんが。
 一応、僕はマウスの解剖をすることとかもあって、まぁ解剖にはもっと適したメスを使うわけですけど、摘出して冷凍しておいた肝臓などの臓器を改めて必要量切る際なんかにはこういうレーザーブレードを使いまして、その場合は血がベットリ付くので、アルコール程度では全然落ちないんですけどね。
 酸を使えば血糊も落ちると思いますが、まぁやっぱり、サンプルのコンタミ(=別のサンプル同士の混入)があっても嫌ですし、血塗られたヤイバは流石にすぐ捨ててしまいますね、もちろんバイオハザードゴミに。)

…と、差し込んだ余談が長くなりましたが、そういう意味では、再利用前提で、安全なケース内に収納できて、しかも切れ味が悪くなったら新品同様の刃を出すことすらできるカッターというのは非常に優秀有能なツールですね。


何で実験ではあんまりカッターが使われないのかな…?

あぁ、カッターは角のみを使うのが基本だけど、ゲル切断とかは、包丁のように刃全体を使うことも多いから(まさに、寒天を切る感じですね)、ってのがその理由かもしれませんね。

(でも、日本にいた頃・大学院時代は、ゲルカット用途でも外科用のメスを使っていました。
 「スカルペル」と呼んでいましたが、メスはマジで切れ味が凄まじいので、カッター的にも包丁的にも使える優れものですね。

(まさにこんな感じ(↓)の(柄の部分はグレーでしたが)、ELPのNo.10みたいなやつをよく使っていました。)

f:id:hit-us_con-cats:20220127065516p:plain

https://item.rakuten.co.jp/ricoro/2-5726-01a/より

…まぁ、リッチな研究室だったので、これも豪勢にゲルを切るごとに使い捨てていた記憶がありますけど(ディスポ=使い捨てのメスなので、再利用はしないことが強く推奨…この楽天リンクのヤツは替え刃もあるみたいですけど、研究室にあったのは柄と刃一体化のやつだったので、付け替え可能だったのを今知ったぐらいです)、モノを大切にしたい僕は、あれも本当は保管して再利用してあげたかったですね…。)


…と、そんな研究現場の話なんてどうでもいいですが、オルファは日本中どこにでもあるということで、偉大な商品ってことですね。

まぁ、僕はやっぱり(どうしても必要なら折れるけど、物理的にも危ないし、精神的にもやはり以下の段落で語ってる理由が多少あって)できればオルファも折りたくないですけど(笑)。

 

一方続いてカッター話より本題の、「取り返しのつかないことに抵抗感」系の話、『カッター以外に、他に具体例は?』とのことでしたが、実際考えてみてもあんまなかったんですけど…

(そもそもカッターも、さっきから何度か書いている通り、もう錆びて全く切れ味がなくなったなどで絶対にメリットのあるような状況なら何の躊躇もなく折れるといえますし、あんまりいい例じゃなかったかもしれません。もちろん「まだ使えそうな気がする…」みたいな場合だと、やっぱり気分的に折りづらいってのはあるので、一応ある程度題意に沿った話ではありましたが…)

…パッと浮かんだのは、VHSの上書き防止の爪を折るとか、そういうのですかねぇ。

www.memory-album.shop

検索したらVHSじゃなくてカセットテープが出て来ましたが、むしろカセットの上書き防止爪の存在、知りませんでしたねぇ~。

…っていうかカセットもVHSも、最早太古の遺物すぎて、若い人は全くご存知ないでしょうか(笑)。

上のリンクにも画像がありますが(リンクカードではフレームアウトしてますけど)、プラスチックが一部だけ出っ張って作られた、まさに爪のような部位をパキッと折ると、絶対に上書きがされなくなって、大事な録音録画を守る上で安全…って仕組みのやつですね。


まぁ仮にご存知なくてもそんなのがこの手のアイテムにはあったんですけど、このカセットとかビデオとかの爪、仮に上書き防止をしたかったとしても、こういうのを折るのはめっちゃ抵抗がある(だって折っちゃったら、もう折る前に戻せないし……もちろんセロテープを貼ればまた上書きできるようになる、とかいうのはそうなんですけど、「折る前の状態に戻せない」ってのが重要)、って感じですね。

(改めて、カッターの場合は、例えば「折らないともう機能しない」状況であれば、折って生き返らすことに躊躇はないですけど、こういうビデオの爪とかの場合、別に折らなくても自分が上書きしないように気をつければいいだけなので、「折らないとビデオとしての機能が発揮できない」わけではないですもんね。その意味で、ビデオの爪とかが一番適切な例だったかもしれません。)

 

コメントで挙げていただいていた缶詰とかは別に、それ自体が繰り返し使うものでもないし、開けなきゃそもそも食べられないしで、缶詰開けは全く何も問題ないですね(笑)。


…あぁ、ビデオの爪以外にも、「商品の、割としっかりした作りの箱を捨てる」とかも、その感覚の話にちょっと近いかもですね。

よく、そういうのをポイポイ捨てたがる人がいますが、「いや、捨てたらもう、もしも必要になっても取り戻せないじゃん!」的な…。


ってまぁ、もちろんこれらも「絶対にできない」ではなく、「抵抗がある」程度で、どうしても必要なら、カセットの爪を折ったり、箱を捨てたり、本の帯を捨てたりは普通に……ってやっぱり、それが「必要になる」場面がほぼ浮かばないので、できればやりたくねぇー!って感じですね(笑)。
(まぁ箱は場所がないとか引越しとかで捨てる必要があったとしても、本の帯とかは、やっぱ捨てる意味もないし、絶対に取っておきたいタイプです。)


あぁあと関連した話としては、僕が図工苦手民であるのも、この性質がちょいと関係あるのかもしれませんね。

工作とか家庭科とかで、紙とか布とかを折ったり曲げたり切ったりするの、「いや一度でも切ったり折ったりしたら、間違っちゃった場合、二度と取り返しがつかないじゃん!」という気持ちが強く、どうしても慎重に、周りの様子をキョロキョロ見る状況が続いて中々作業が進まない結果、行程の初期ステップで取り残されてしまってますます焦るという悪循環……みたいなのは、図工苦手民の方ならご理解いただける苦しみかと思われます(笑)。

 

『なんちゃら恐怖症的な?』という話に関しては、あぁ、ちょうど、ラストエリクサー症候群なんていう割と有名な話を思い出しましたね。

w.atwiki.jp
まぁこれは正式な病名でも何でもなく、ただのゲームのアイテム由来のあるあるネタミームみたいなものですけど、ラストエリクサーというのは、仲間全員の体力と精神力を完全回復するという超強力便利なアイテムで、超便利だからこそ、めちゃくちゃレアで貴重なアイテムなのです。

で、あまりにも貴重だから、いざゲームの途中のボス戦とかで苦戦しても、「いつかもっと必要なときがあるかも…」と思って中々使えず、結局一度も使うことがないままクリアしてしまう……というあるあるネタみたいな感じですね。


…むしろ、こんな貴重アイテムを使って失ってしまうぐらいなら、全滅してゲームオーバーになった方がマシだわ、という本末転倒さまであるわけですけど(笑)、まぁ大抵のゲームは全滅してもセーブしてたポイントからやり直しとかペナルティが軽いからこその話かもしれないんですが、僕もご多分に漏れず、エリクサーの類の個数限定アイテムは最後まで使えず宝の持ち腐れになるヘボプレイヤーといえそうです(笑)。


いやでもさぁ、正直初めてプレイするゲームとかだと、本当にこの先いつ必要になるかなんて絶対に分からないんだし、そういう貴重アイテムをポンポンすぐ使っちゃう人って、ちょっと慎重さが欠けている軽薄マンといえるのではなくって…?とも思えちゃいますね。

僕は慎重で論理的な危機管理能力の高い男だからね、後先考えずに大事なカードをすぐに切っちゃう軽率で浮薄な匹夫の勇みたいなカスプレイヤーとは、一味違うわけですよ。

…しかしよく考えたら、「トルネコの大冒険」や「風来のシレン」でおなじみローグライクゲーム、僕はローグライクがゲームの王様でマジでこの世で一番面白いジャンルだと思ってるんですけど、この手の何度でもやり直しの利くゲームでも、僕は「あと一撃食らったら死ぬけど、一撃与えれば倒せる…」という状況で、「ま、いけるっしょ」という浅薄皮相な考えのもと、貴重なアイテムを使わずに普通に攻撃して、当然のごとくスカってあっさり死ぬタイプなので、慎重さを備えたロジカルプレイヤーというより、単にゲームが下手なゴミカスまぬけプレイヤーというだけだったかもしれません(笑)。


…と、ゲームに詳しくない方には何のこっちゃよく分からない話であるばかりか、正直「取り返しがつかない系の行動を取ることに強い抵抗感を覚える」とはちょっとズレてる話かな?って気もしてきました。

ま、エリクサー病は、いわゆる「もったいない病」あるいは単に貧乏性ともいえる話なだけともいえる感じでしょうか。

当初ネタにしていた「不可逆的なものの形を変えてしまうことに抵抗」は、それとはちょっと違う気がするんですけどね…。


…と、そこから発展して、もうちょい考えてみたら、ビデオの爪を折るのに抵抗を感じるのは、もしかしたらエントロピーが関係しているのではないか?という気もしてきました。

エントロピーというのは、大学の熱力学で習う非常に重要な概念で、難解なれど様々な自然科学の分野に顔を出すニクイやつでして、大体この話が出てくるぐらいから、難しすぎて熱力学とか嫌になっちゃうんですよね。
(なお、エントロピーは、ほぼ確で、熱力学講義の第一回で登場する模様(笑)。)

まぁ難しいけれど非常に面白い概念でもありまして、インテリっぽい響きからも理系の学生が大好きな言葉ともいえましょう。


厳密には数式とかも絡んでくるので本当に難解すぎる上、僕も専門家ではない、学部レベルの理解しかないモグリなので完璧な説明はできませんけど、まぁごくごく簡単にいうと、これは「乱雑さの度合い」を表すものだ、ってことがよくいわれますね。

エントロピーは必ず増大する」というのが熱力学第二法則なんですけど、これはつまり、例えばミルクが入ったコップとコーヒーが入ったコップがあったとして、この2つを混ぜると、熱力学第二法則にのっとり、この世の中はエントロピーすなわち乱雑さが必ず増大するようにできていますから、ミルクとコーヒーが乱雑に混ざり合った結果、茶色い液体になっていく…という話で出てくるのがエントロピーなのです。

ミルクとコーヒーを混ぜて、ミルク層とコーヒー層に分かれたまま存在し続けることは決してないし、一度混ざったコーヒー牛乳を、またミルクとコーヒーに分けることも不可能である…というのは経験上誰でもご理解いただけると思いますが、それがなぜなのかを上手く合理的に説明可能にしてくれるのが、このエントロピーという概念だということなんですね。


(改めて、正しく理解するには数式も必要になりますし深追いはしませんが、サワリだけを理解するには、結構分かりやすい解説サイトもいくつかありました。

 パッと検索してヒットしてきた中で、一番分かりやすい解説をしてくれていたのがニコニコ大百科の記事(↓)ですね。

dic.nicovideo.jp
…メチャクチャ分かりやすく、そして面白い!この記事を執筆された方は極めて優秀ですね。

記事内で触れられている、マクスウェルの悪魔とかも、読み応えがあってとても面白いように思います。

あとは、信州大学 飯山・二村研究室のQ&A(↓)も、触れようと思っていた内容を実に分かりやすく説明してくれていて大変良かったです。)

science.shinshu-u.ac.jp

ひとつ、日常生活でも使えそうな話として、大学時代1年上にいた同じ学科の先輩が、めっちゃ優秀でめっちゃ面白い方だったんですけど、歓迎パーティーみたいなので、大きな寿司盛り合わせとかが用意されていたときにその先輩の放った面白発言のエピソードを紹介してみましょう。

パーティーも佳境を迎え、残る寿司ネタも少なくなってちょうど「トロ2・イカ3・タマゴ3」みたいな感じで残っていた場面で、ちょうど僕とクラスメイトの友人と、あとその先輩が同時に寿司ネタを取りに来たんですけど、まず先輩に取るのを譲った我々に対し、その先輩は「…エントロピー下げちゃっていいかな?」というネタ台詞とともに、2つしかないトロの1つを取っていきました。

エントロピーというのは乱雑さの度合い、つまり2-3-3だったら2-2-3になるように、なるべく偏りがない状況を生み出すように変化していくものですから、先輩は1-3-3という偏った状況を生み出してしまったことに対し、宇宙の法則を無視した行為への謝罪かのごとく「エントロピー下げてごめんね!」というウィットに富んだギャグを繰り出して、笑いを生み出したという感じだったのです。

個人的にはめっちゃ面白くて笑えたし、今でもその場面は印象に残ってますねぇ~。


今後、例えば職場でおやつにアイスが振る舞われる場面があったとして、チョコ味・ミルク味・イチゴ味などが箱の中にあったとして、人気のチョコがもう少なく、他がいっぱい残っているような場面で自分もチョコを欲しいような場合は、ぜひ、「エントロピー下げちゃっていいですか?」といいながらチョコ味をかっぱらっていくとしましょう(笑)。

もし上司に理系人間がいたら「むむ、やるな!」と思われて出世の道が広がるかもしれませんし、気になる方が理系の人でしたら、それだけで恋が芽生えることもあるかもしれませんよ!(って、そんなことで恋が芽生えてたまるかよ(笑))


話を元ネタに戻すと、上の解説サイトでも触れられていましたが、熱力学第二法則が記述しているように、この世界は、常にエントロピーが増大し続けるように作られています(というかそういう風にできています)。

この宇宙に存在する人間だって例外ではありません。

つまり、人間が「生きる」というのは、「エントロピーの増大に抗うこと」と同義ともいえるのです。

(まさに信大の記事にも似たような話がありましたが)生きた人間というのは、究極の低エントロピーの塊物質ということができまして、我々自身のもつエントロピーは加齢とともに徐々に徐々に増大していき(瑞々しさが失われる=色々な機能・生命力みたいなもの全てが、乱雑になって失われていく)、最終的には死んで焼かれてこの宇宙と一体化することで自分の肉体は失われ、エントロピーは無限大に拡散するわけですけど(…まぁ、この辺は全く学術的な表現ではないので、話半分に聞いていただきたいわけですが…)、それを踏まえると、結局、我々はエントロピーが増えてしまうことを恐れているともいえるんですね。

なぜなら、宇宙全体のエントロピーを増やしてしまうというのは、それすなわち、自らが死に少し近付いたのと、ほぼ同じことだともいえるわけですから…。


ゆえに、翻って鑑みるに、ビデオの爪を折るというのは、一つながりだった物体をバラバラにする=エントロピーを自らの手によって大きくしてしまうということであって、これに抵抗感を覚えるのは極めて自然なのではないか?…と、そういう仮説を思いついたのですが、どうでしょうか(笑)。

…まぁ、とかいいながら、デスクの上とかは乱雑になってることが多い=エントロピーが大きいほど安心するという側面も人間にはありますし、相当適当すぎる話かもしれませんけどね(笑)。
(いや、綺麗好きの方は、デスクが散らかってる方がむしろストレス…?僕は割とデスクの上は乱雑なタイプなので、高エントロピーを好む、異常人間なのかもしれません(笑)。)


もうちょいエントロピー関連話も丁寧に深追いしようと思いましたが、既にあまりにも長くなってしまいましたし、ぶっちゃけあんまり面白くもないしで、この辺にしておきましょう。

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