RNAとは何ぞや?…結局これも、4つの文字がひたすらつながったものなんですね…!

誰もがどこかで聞いたことのあるRNAという言葉、これが何者なのかということをなるべく分かりやすく、専門外の方にも一発でイメージをもってもらえるような素晴らしい解説を書いてみようと思っているのが今回の記事ですが…。

…まぁ多分、そこを目指してみても結局やさしい入門編ではなく、受験で生物を選択した学生とか、生命科学系に進学してより深く学ぼうとしている人によりドンピシャな話になってしまい、「いや初めて聞く人にとって分かりやすい内容ではないでしょ」ってなっちゃいそうな気もするんですけどね。

でも少なくとも、自分は、学んだ最初期にこういう話をしてくれてたら良かったなと思える、「知るとっかかりとして、こんなイメージを抑えておくといいかも」という感じにはなってる気はするので、最近RNAも何だかんだ話題ですから、教養として、多少なりとも何か得るものがあれば幸いに思います。

…と、油断するとそういう前置きみたいなどうでもいい話を永久にくっちゃべってしまうので、とっとと本題に入りましょう。


まずタイトルにした通り、結局RNAというのは、「物体として、物質として、一体どういうものなのか?」といいますと、これはもうズバリ、4種類の文字がビーズのネックレスのようにつながったものという、何か前にもどっかで書いたような話の繰り返しになる感じです。

まぁ色んな記事でクドクド似たようなこと書いてましたが、ちょうど、似たような用語をまとめていたこの記事↓でもいい感じにまとめて触れていたので、参考までに改めてリンクを…。

con-cats.hatenablog.com
こちらの記事ではDNAの話を中心にしていましたが、前回の記事でも書いていたように、結局、名前がそっくりな通り、DNAとRNAはもうほっとんど似たようなものなんですね。

おさらいになりますが、DNAは、A, C, G, Tという4種類の文字が、大っ量~に、1文字ずつつながってできている物質です。

文字といいましても、それはあくまで名前を付けてそう呼んでる(書いてる)だけであって、文字の1つ1つの実態は、ヌクレオチド」と呼ばれる物質ですね。
(この用語が、あまりにも日常生活でなじみのない言葉すぎるのが残念!タンパク質の場合の「アミノ酸」なら、なじみもあって多少イメージも抱きやすかった(覚えやすかった)んですけどね。)

つまり、DNAもタンパク質も、ビーズがずら~っとつながってできた物質の、いわば総称みたいなものであり、「1500個のヌクレオチドがつながってできたDNA」や「1億個のヌクレオチドがつながってできたDNA」とか、「517個のアミノ酸がつながってきたタンパク質」「1万個のアミノ酸がつながってできたタンパク質」などなど、実際は色々なものが存在するわけです。

そして、DNAもタンパク質も(もちろんそれらを構成するヌクレオチドアミノ酸も)あくまでこの世に存在する物質ですから、現実的に手にとって「これがDNAだよ」と示すことが可能です。

ただ、何百万何千万のヌクレオチドがつながっても、1つ1つのヌクレオチドは尋常じゃなく小さいし、DNAはどれだけ長くなってもギュッと小さくまとまるという性質(「常に『巻き戻るボタン』が押されているメジャー」みたいなイメージ?)がありますから、現実的には目に見えないレベルの大きさの形で存在して機能しているという感じですね。

でももちろん、大量に集まれば目に見えます(どんなに小さくても、塵も積もれば山となるので)。

純品のDNAだけが集まることは日常生活においてほとんどないのでうまい例は出せませんが、タンパク質の方なら、例えばスーパーで売ってる肉を手にとって「これがタンパク質」といえるのは分かりやすい感じですね。

それと同じように、目に見えるほどめちゃくちゃ大量に集めれば、DNAだって目に見える物質なわけです。

(逆に、似たような用語に「遺伝子」がありますが、こちらは物質ではなく情報というかただの概念を表す用語なので、具体的な物体を手にとって「これが遺伝子」ということはできません。まぁ似たようなことは先ほどリンクカードを貼った記事でも書いていたので、もうちょい詳しくはそちらをどうぞ。)

また先ほどの話と関連して、DNAやタンパク質というのはあくまで総称(固有名詞ではない)ですから、仮に大量に集めて手にとって「これがDNA」という紹介をしても、必ず、「何の?」という疑問が発生するぐらい、漠然とした情報にしかなっていない、という点にも注意が必要ですね。

何か四角いヤツを手にもって「これ、スマホ」とかいっても、「いや何の?iPhone?Galaxy?Xperia?」という疑問が出るのと、全く同じ状況だということですね。

一口にスマホといっても色々なものがあるように、一口にDNAといっても、中身が何なのかで、めっちゃ様々な、大きさも中身も全然違う感じのものが(スマホの種類どころではなく、大量に)存在するわけです。

しかしいずれにせよ、中身がなんだろうと、A, C, G, Tの4文字が大量につながったものならばそれはDNAであり、逆にいえば、「これね、DNA」といっておもむろに目の前に差し出されたら、「あぁ、A, C, G, Tの文字がめちゃくちゃいっぱいつながってできてるものなんだな」ということが分かるわけです。

ちなみに、これも以前の記事で書きましたが、その目の前に差し出されたDNAを例えば顕微鏡で見ても、今の技術では残念ながら、「ここが端っこで、最初はA、次にT、G、T、T、G…と続いておるぞ」という風に読んでいくことはできません

でも、特別な「DNAの配列分析マッシーン」を使えば、読むことが可能です。

このマッシ~ンのおかげで、人間の全DNAの文字情報が明らかになった、いわゆるヒトゲノムプロジェクトは完遂されたわけですね。

ということで、DNAというのは、大量に4種類のビーズが延々とつながった物質だ、というのが、何はなくとも分子生物学全体のイメージをもつ上で、とても重要なポイントになると思います。

(ちなみに、「延々と」と軽くいってもこれは本当に途方もない数で、2億文字以上つながってることもザラ…というか、あなたも私も、みんな自分の細胞の中に、そんなメチャ長DNAを必ずもっています。詳しくはこちらの以前の記事など。
 しかも、重要なのが、枝分かれなしの一直線ということ!2億何千万ものヌクレオチドが、途中枝分かれすることもなく、切れることもなく、ひたすらつながっているのです。もしも枝分かれがあったら複雑すぎてヤバイことになってましたが、幸い一直線なので、ヒトゲノム・遺伝子の情報とかは、単純な文字列で記述可能になっているんですね)

…とそんなところでようやく本題に入りますと、RNAも、まさに同じです。

ただし、DNAとの大きな違いとして、RNAを構成する4文字(ヌクレオチド)は、A, C, G, Uになります!

そう、A, C, Gは同じで、TだけなぜかRNAだとUになるんですね。

呼び方というか日本語名は、Aアデニン、Cシトシン、Gグアニン、Tチミンで、Uはウラシルです。

まぁでも名前なんてどうでもいいでしょう。

そしてもちろん、前回も書きましたが、DNAとRNAの違いは使われている文字以外に、酸素原子のありなしという大きな違いもあるので、DNAのCとRNAのCは、全く同じ物質ではないという点にも注意が必要ですね(DNAは、酸素原子が1つ少ない)。

なので、DNAとRNAの情報を区別する必要があるときは、DNAとRNAの違いは「deoxy」(=デ・オキシ=酸素なし)の部分なので、意図的にDNAであることを強調したい場合、dA、dC、dG、dTと書くこともあります。

…が、例えばお酒分解酵素ALDH2アミノ酸レシピ情報として、「ATGTTGCGC…」みたいな書き方をした場合、Tがあるので、「あぁこれはDNAのことをいってるんだな」と分かりますから、DNAの配列を書く場合であっても、大抵頭のdは省略されます。

ちなみに、またずっと「文字」といってましたが、これらの数え方は「塩基」ですね。100文字のRNAは100塩基のRNA、1万文字のRNAは1万塩基のRNAと呼ばれます。
(まぁ塩基は英語でbaseなので、「100ベースのRNA」みたいに呼ぶことも多いですが。当然、英語なら100 basesとかですね。)

結局、RNAには色々な種類のものがあって、それぞれ色々な役割をもっているのですが、何だろうとRNAと呼ばれる物質は、全て、基本的にこの4文字が(順番も数も様々な形で)つながってできているものにすぎない、というのが、まず知っておくとよいRNAネタの第一歩かと思います。

「…ん?『基本的に』?どういうこっちゃ、また例外があるのかよ」と鋭い方は思われるかもしれませんが、まぁ、これは生物学お得意の「断定したら、例外が出てきたときにハズいからぼかしておこう」というコスい逃げの一手とでも思っていただいて、今はA, C, G, Uの4文字だけがひたすらつながってできてるのがRNAと覚えていただければ…と思います。

…というたった1文で終わる話でしたが、あまりにも重要だと思う点なので、その他の話には進まず、これだけで今回は終えるとしましょう。

これさえ抑えておけば、RNAについては、まぁ半分は攻略もしたも同然です。
(まぁ、「バファリンの半分はやさしさでできています」と同じ、ウソくさい「半分」かもしれませんけど(笑))

次回からもさらにRNAについて、あんまり難しい話はせず、大まかなイメージをもってもらえることにつながるような記述をしていこうと思います。

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