RNAについて、とにかく分かりやすく教えてよ

…と、大見得を切っても、これが案外難しいんですけどね…。

前回、ずっとしてきたDNAとタンパク質の話に、とうとう新しい役者であるRNAを登場させていましたが、まぁ正直、入門編では別に最悪触れなくてもいいかな、とすら思っていたぐらいでした。

要は、アミノ酸から始まったこの話、まずアミノ酸というのは何者かというと「つながってタンパク質になる」もの…
…ではタンパク質は何かというと(日常生活では肉とか卵とか豆とかの大部分の成分だけど、もっとミクロな視点で)、ぶっちゃけ生き物の本体、めっちゃ色んな仕事ができる超有能物質(目になったり、肝臓ではお酒や毒を分解したり、筋肉になって体を動かせるのも筋肉を作るタンパク質のおかげ)である…
…じゃあどうやって目では目のタンパク質(クリスタリンとか)を、頭皮では髪の毛のタンパク質(ケラチンとか)を、肝臓ではお酒分解酵素とかを必要な場所で必要量作っているのかというと、それは、DNAに記録されている情報(人間の場合、合計で、30億文字!)が、上手にスイッチON/OFFされることで制御されている…
(例:肝臓の細胞では、お酒分解酵素ALDH2のスイッチがONになっているから、ALDH2が(DNAのレシピ情報をもとに、1つずつアミノ酸をつなげていくことで)製造されている。お酒を飲んだら、恐らくこのスイッチがガンガンに押されて、お酒を速やかに分解するために、ALDH2がジャンジャン合成されることでしょう)

…というのが、まぁ今からもう70年近く前に主にクリックさんが提唱した分子生物学の基本にして最重要ポイントであり、ある意味これだけでもう入門編は終えたも同然と思える状況なんですね。
RNAを話に出さずとも、大まかな流れとしてはもう全体像はつかめている、という感じで。)


ちなみに、この分子生物学の基本というか「生命活動の流れ」的話に関しては、

「俺はそういう色んな人が正しいと考えている世の中の常識を一切信用しないぜ。この世界はウソだらけだからな、俺だけはそんなクソみたいな世間に迎合せず、常に疑いの目をもって、己の信じる道だけを突き進むんだぜ…」

…と、まぁそこまでは思わずとも、「何か、うーん…。だって、そういう研究みたいな話、○○が体にいいとか悪いとか、結構言うことコロコロ変わってますやん。だから、何となく、偉そうに難しいこと説明されても、ニワカには信じがたいかな、って…。自分の目で実際に見たわけでもないし…」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

まぁ気持ちは正直よく分かるんですが、これに関してはやっぱり、分子生物学のこの辺の話には一切疑いを挟む余地もなく、どう考えても正しいと断言して構わないと言い切れるように思えます。

疑い深いこの僕ですら、「うん、色々この目で見させてもらったけど、これは絶対正しいわ」としかいえない話になっているので、信じてください。

その証拠に、例えば一切タンパク質を摂らない生活を続けると、その他の栄養をどれだけ完璧に摂取しようと、必ず割とすぐ体に異常が発生すると思います。

(まぁ、タンパク質だけを摂らないのは意外と難しいですけど、例えば水と、砂糖と、塩と、オリーブオイルと、マルチビタミンなんかをバランスよく摂取し続けたとしたら、カロリーも、ビタミンミネラル(タンパク質の成分であるアミノ酸を除く)も全く問題ない量摂れますが、これだとアミノ酸が完全に欠けています。
 人が生きるためにはタンパク質を作り続けなければいけないのに、その材料が一切入ってこないということですから、(以前も書きましたが)そうなるとまずは自分の持ってるタンパク質を分解してアミノ酸を手に入れることになるでしょうね。
 つまり、ガンガン筋肉が落ちて、皮膚や髪や爪を作るタンパク質も分解されていって(というか新しく作られることがなくなって)見た目もガサガサぼろぼろのゲッソリになって、一瞬で体調を崩すことになるでしょう。)

…ってまぁその辺(タンパク質の重要性や、DNA→タンパク質の流れ)に疑いの目を向けてる人なんてほぼいないと思いますし、「いや何かの栄養が欠けたら体に異常をきたすのは当たり前やん」って話かもしれないんですけど、とにかく、生きて活動するために最も重要なのはタンパク質であり、(それ以外が重要でないとは決して言いませんが)欠けたら一番ヤバいのはタンパク質なのはいうまでもありません、なぜなら、タンパク質を作ることこそが生命活動の目的であり、生体反応のゴールだからです、という話ですね。
(またその証拠として、「糖分や脂肪分を控えましょう」とはよくいわれますが、「タンパク質の摂取を控えましょう」とは絶対にいわれることがないですもんね。)

別の観点から分子生物学の根幹・セントラルドグマ(DNA→タンパク質)をサポートする話を出すと、赤痢を発見した志賀潔さんの名にちなんでシガ毒素とも呼ばれる赤痢菌の出す毒素は、細胞が取り込んでしまうと、その細胞は半永久的にタンパク質を合成できなくなってしまうことが知られています(合成マシーンを壊す)。

タンパク質が合成できなくなると、その細胞は速やかに確実な死に至りますから、このシガ毒素は最強の細菌性毒素の1つといわれている、なんて話もありますね。

なお、そのシガ毒素自身もタンパク質でできています。

生きるうえでタンパク質を合成することがいかに重要か、そしてタンパク質自身がどれだけ色々な機能をもっているのか(毒にもなる!)…がよく分かる、いい一例になっている話といえましょう。


…おぉ~っとぉ?!まさかの、本題に入らず余談のみでダラダラと、RNAのアの字も出ずに終えてしまうのかぁーーっ?!

まぁいいたかったことは、RNAに関する話は、入門的な内容からちょっと深入りする感じになってしまうかもしれないということですね。

実際、本当に結構ややこしいヤツらでして、正直、受験生や、生命科学系に進学した学生ですら、ぶっちゃけまともなイメージを抱けておらず、ただの用語として、テストで聞かれたら答えることのできる呪文みたいなものとして、全く実態を理解せぬまま機械的に覚えてるだけの人の割合が、多分体感95%を超えるぐらいなんじゃないかな、と思えます(言い過ぎかもしれませんが)。

今でも昨日のことのように覚えてるんですけど、高校のときの仲良かった同級生が、彼は受験の選択科目で物理・化学を選んでいたんですが(正直、理科の選択はそのパターンが王道です。僕は生物・化学でしたけど)、大学は生物が必修の、生命系中心のコースに入学したのです。
で、大学入って最初の試験期間中、必修生物の試験の日、たまたま電車内で会ったんですけど、「っていうかRNAとか、マジで何なのかよく分からんのだけど。いや出てきた話を覚えてはいるんだけど、それが何者なのか具体的なイメージが全く湧かないっちゅうか…」みたいなことをいってきて、実はぶっちゃけ僕もまだ専門に進んでいない頃で大してイメージが湧いてなかったので「あぁ、マジで分からんよね。みんなそうでしょ」と、生物を選択して入学したクセして、まともな説明もできずぼやかしたまま終わってしまった、なんてことがありました。

という感じで、僕自身含め、それ系の専攻を目指して進学している学生ですら、何のこっちゃよぉ分からんまま、適当にやり過ごしてしまっているのがこの辺の話なので、割とややこしく難解かもしれません、という所をまずお伝えしておこうかと思った次第です。


まぁRNAの話になると、ほぼ必ず、まず最初「RNAは大きく分けて3つのタイプに分けられる。その3つとは…」って内容から始まるんですが、大抵、もうこの初っ端の時点でいきなり「は?」となって、やる気を失くす(or 死んだ目になって、ただの呪文を覚えるだけ状態と化す)んですよね。

なので、ちょっと別の形で話を進めてみようかなと思っています。

…まぁ結局その「いくつかのタイプ」の話はいずれする必要があるんですけど、いきなりそっから話を始めるのはちょっと違うだろ(かなり分かりにくくなってる)と感じるので、アプローチを変えてみる作戦ですね。

(ちなみに似たような話として、これは僕ではなく、大学で会った別のクッソ優秀な友達がいってた話なんですけど、「量子力学の説明で、黒体輻射の話から始めるのって、マジで違うと思うんだよね。ほとんどの教科書がそうなってるけど」というのが思い出されます。
 まぁ、量子力学は、ぶっちゃけ、僕の頭では全く太刀打ちできなかったですね。高い物理学のセンス、深い化学の知識、広い数学の素養が必要となる、めっちゃ高度な憧れの学問です。
 なお、黒体輻射から始まっていない、友人オススメの量子力学教科書を読んでも結局全然完璧な理解には至らなかったので、多分僕のするRNAの話も、大した理解への糸口にはならない可能性もままあると思いますが、明らかに量子力学よりは圧倒的に簡単で単純な話なので、漠然としたイメージをもっていただけるよう、チャレンジしてみようと思います。)

ということで、本格的な説明については、また次回…。 

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