ぬぬーん、今日は1日が23時間しかありませんよ!!

もちろん時空が歪んだとかそういうことではないんですけど、アメリカ(とカナダ)は、ごく一部の州(ハワイと、本土ではアリゾナ州のみ)を除き、3月の第2日曜から、Daylight Saving Time、いわゆるサマータイムが始まりまして、今回はそのお話です。

話には聞いたことがあっても、サマータイムがどういうものなのかご存じない方も多いのではないかと思うのですが、こういう仕組みになっています。

3月の第2日曜深夜2時になったら、時計を1時間進める
(つまり、土曜日が終わり、日曜日、午前2時になったと思ったら、いきなり3時にワープするということ)

このため、3月の第2日曜日は、午前2時台が存在しませんから、この日は1日が23時間になってしまうのです!

(逆に、サマータイムが終わるとき=11月の第1日曜は、深夜2時になったら、いきなり深夜1時に戻り、深夜1時台をもう一度繰り返すことになります=1日が25時間ある。)

 「アメリカ人が1年で最も寝不足になる日はいつ?」というクイズというかなぞなぞがあったら、答は恐らく3月の第2日曜日でしょう。
(=1日が短い……特に、夜の時間が1時間減るので。
 まぁ、「ニューイヤー。カウントダウンでみんな遅くまで起きてるから」とか、いくらでも別解はできそうですが…。)

ちなみに、アナログ時計は自分で調節しなければいけませんが、スマホやパソコン、その他アナログ時計であっても電波時計など自動制御機能がついているものの場合、自動的に時間が切り替わるので、今の時代はほとんど意識せずに勝手に変わっていることも多いといえましょう。

このサマータイム、一体何の意味があるのでしょうか?

それは当然、夏は早く陽が昇り、さらに遅くまで陽が沈みませんから、時計を進めることで、明るい時間を有効活用できる、という点が筆頭にあげられる感じですね。

この辺、落ち着いて考えないと「時計が1時間進むと……明るい時間が増える??」とややこしいですが、こう考えれば分かりやすいのではないでしょうか。

サマータイムの8時は本来の7時ですから、例えば(本来の時間で)午後7時から少しずつ暗くなり始めるのだとしたら、サマータイム実施中の国の時計だと、午後8時にようやく暗くなり始める、ということなわけです。

言い換えると、サマータイム「7時」と表示されている時間は、本来ならば地球的には「6時」なので、
(それを、アメリカ人が勝手に7時と呼んでいるだけ…要は、サマータイムは「みんなでそう思い込もう!」というだけの、集団幻想なんですね(笑))
…時計的には「7時」であるのに、外はまだまだ余裕で明るい、ということになるわけです。

(より単純にいえば、ちょうど1時間、明るい時間が長くなる(=日没が1時間後ろにずれる)、ということですね)

午後8時を過ぎても昼間のように明るい、場所によっては(特に高緯度地域)午後9時でもまだ外が明るいというのは結構面白い体験で、これが意外と、なかなか気分がいいものですよ(白夜に近いものがある感じですかね)。

また、ちょっと見方を変えると、サマータイムは、常に本来の時間より1時間早く行動していることになるんですね。

つまり、実質1時間早寝早起きすることになるので、個人的には健康にもとてもいいように思います。

(これまたややこしくてちょっと混乱するかもしれませんが、例えば時計が0時になったら寝る人の場合、本来の地球時間はまだ23時なので、実際は23時に床に就いている、ということになるわけです。
 朝も同様に、サマータイムの朝7時半に起きた場合、それはアメリカにいる人が勝手に7時半だと思ってるだけで、現実的には6時半に起床していることになるんですね。
 それ以外にも、例えば午後7時に夕食をとっている人がいたら、その人は実際は6時に食べていることになるわけで、「夜遅い飲食はよくない」という説が正しいのであれば、これも健康的といえましょう。
 夜9時以降はものを食べないようにしている方、サマータイム中であれば、夜10時まで食べられます!(本当にその違いに意味があるのかは分かりませんが…)
 つまりサマータイム中は、本当の地球時間より1時間だけ未来を生きているというか、常に1時間早倒しの行動になってるといえるわけですね)

…まぁメリットはその2つだけなんですけど、案外、僕はこのシステムが好きなのです。

もちろん、日本をはじめ今導入されていない地域にわざわざ導入するほどのものでは絶対にないですが(不要な混乱含め、導入に伴うコストが大きすぎるので)、もう導入されてシステムがそうなるように運営されているなら、永続的に実施し続けるのに全く異論がないぐらい、いい制度だと思います。

しかし世の中的にはどうも渋い反応のようで、ヨーロッパではもうサマータイム廃止が決定しており(でも、コロナ騒動で延期になるかも…?なんですかね…?)、カリフォルニアでも住民投票で廃止案が可決されたようですが、個人的には続いて欲しいですねぇ~。

むしろ、1年中サマータイムでもいいのでは?と思えるぐらいです。

(ただ、冬、明るくなるのが遅すぎるのが、ちょっと問題なんですよね。もう解説不要だと思いますが、本来朝6時に明るくなる状況の場合、サマータイムだと、7時になるまで明るくならないわけです。
 ただでさえ雰囲気の暗い冬、明るくなるのがさらに1時間遅くなるのは、結構不便で、実際気も滅入るかもしれません。)

いずれにせよ僕はサマータイムが好きなので、開始時、つまり本日3月の第2日曜は1日が23時間しかなく不便ではあるものの、「今日からサマータイムか、なら良し」と思えます。

逆に、サマータイムが終わるとき、11月の第1日曜ですが、これは「あぁ素晴らしいサマータイムが終わってしまう…」と残念ではあるものの、この日は1日が25時間ありますから、お得感があって嬉しいのでまぁ良しと思えるので、総合して、まぁ全体的に良し、って感じなわけですね。

そう、時間というのは貯金できませんが、面白いことに、アメリカでは、3月に1時間預けて、11月にその1時間を引き出すという、仮想的な時間貯金をしている感じになってるんですね。

もちろんそれは仮想上の時間であって、別にこの世から1時間が消し飛んだわけでも11月に余分な1時間が生まれるわけでもなんでもないんですけど、実際本当に今日は1時間少ないし、11月第1日曜は1時間多く過ごせるように感じるから、人間とは面白いものです。

経験されたことがない場合、「いや、別に時計が1時間進もうと、1日は1日じゃん。朝7時まで寝てたなら、普通に進んだ時計の8時まで寝ればいいだけじゃね?俺だったら、そんな勝手に時計が進もうが、自分の体内時計の方を重視するし」と思われる方もいるかもしれませんが、人間は、意外と時計に支配される生き物なのです。

高校のとき、友達に「遅刻しないように、家の時計も腕時計も、5分進めてる」っていう人がいて、「いやいや、5分進んでるのを自覚してるなら、本来の時間は5分前ってことを知ってるわけだし、何の意味もないじゃん」と思ったのですが…
実際、その後一人暮らしを始めて、たまたま家の時計が2, 3分進んだ状況になることがあったんですけど、経験してみると、その事実(=時計が進んでいること)は頭の中にちゃんと入ってるはずなのに、意外とその時計をもとに動いているからか、電車の時刻に間に合うかどうかギリギリの時とかに、大分余裕をもって行動できることが発覚し、「あの時の友達の意見はマジだった!時計が3分進んでると、ギリギリの状況で、3分余裕が生まれる!」と感じ入ったものです。

かように、人間というのは目に入る時計に支配されるものであり、いわば我々は時計の奴隷だ、と言い換えることもできましょう。

なので、サマータイム導入日は、いきなり時間の概念が変わって混乱するからか、はたまた時計的に1時間消滅するため寝不足になるからか、「この日がアメリカで最も交通事故が多い日である」という話を聞いたことがある気がしますね。

(一応きちんと調べたら、「最も多い日」ではありませんでしたが(やっぱり、遠出とかをする夏のバケーションシーズンとかの方が、事故は圧倒的に多いみたいです)、サマータイムが始まった週は「交通事故率が有意に上昇する」とありました。
 例によって、査読付き論文で統計学的にきちんと証明されているようです↓)

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov
これがサマータイム廃止論者の最大の論拠かと思いますが、意外とこういうデータを出されると、雰囲気だけでサマータイムを気に入ってる立場的には言葉に窮してしまうわけですが……でもやっぱり、実際いい制度だと思うんですけどねぇ~。

長い時間明るいし、この期間中はみんな1時間早寝早起きになって健康になるし、素晴らしいことじゃない!…と、仮に誰が反対しようとも、僕だけは君のことを心の中で応援し続けるよ、サマータイム……。

ということで、日本との時差も、今日を境に変わります。

アメリカには大まかにわけて4つのタイムゾーンがあるのですが(東部・中部・西部2つ(山岳部・太平洋部)ですね)、サマータイム以外→サマータイム中の日本との時差をまとめると…

東部標準時:-14時間→-13時間
サマータイム中は、昼夜逆転した後、時計の針を1時間戻すだけでよくなる。例:日本の朝7時は、アメリカの前日夕方6時 (18時))

中部標準時:-15時間→-14時間
昼夜逆転した後、時計の針を2時間戻す。例:日本の夕方5時 (17時)は、アメリカの深夜3時)

山岳部標準時:-16時間→-15時間
昼夜逆転した後、時計の針を3時間戻す。例:日本の夜11時 (23時)は、アメリカの朝8時)

太平洋標準時:-17時間→-16時間
昼夜逆転した後、時計の針を4時間戻す。例:日本の昼1時 (13時)は、アメリカの前日夜9時 (21時))

…となります。

日本タイムゾーン的に世界で最も未来(先の時間)を生きている地域ですから、サマータイム開始でアメリカが1時間未来を生きるようになることで、日本との差が縮まるということですね。

ということで、今日からサマータイムが始まり、今日はアメリカは23時間しかない(既に深夜2時→3時ワープ済みです)、というお話でした。

ちなみに、サマータイムは11月の第1日曜までなので、実は、サマータイム実施期間が約8ヶ月に対し、通常の時間制度はたった4ヶ月しかないので、サマータイムの方が圧倒的に長く、どっちが本来の時間なんだよ(笑)と思える感じになってるんですけどね。

(なので、地味に夏以外にもまたがっているため、サマータイムではなく、Daylight Saving Timeと呼ばれているのではないかと思います。…むしろ、非サマータイムが冬のみなので、こっちが冬時間…?)

このブログも、日本の朝7時に更新するようにしていますが、アメリカ時間で考えると、僕目線でいえば、投稿(=〆切り)までに1時間ゆとりが生まれるようになるということですね。

(こういうのも本当にややこしいですが、アメリカの時計が1時間進んだ=〆切りも1時間早くなる…??…などと一瞬思いがちですけど、実際は真逆で、〆切りまで余裕が生まれることになります。
 ちょうど上の例で書いた東部標準時ですと、日本の朝7時は、サマータイム前まではアメリカ時間でいうと午後5時だったのに、サマータイム中は、午後6時になるからですね。
 同じ日本時間に投稿し続ける場合、〆切りが1時間遅くなるわけです。

 具体例を考えれば明快で分かりやすいですが、一般論として説明するなら、どう書けば分かりやすいんですかね…?
 アメリカの時間だけが勝手に1時間進んだのに、日本の時計はそのままだから……って、これだとやっぱり、何となく〆切りが早く来る気がしちゃいますね…(僕の理解力が悪いだけかもしれませんが…)。

…あぁ、例の、「時計を5分進めると余裕が生まれる」案がここでも使えるかもしれませんね!
 つまり、アメリカ人は国民総出で「自分の時計を1時間進めている」ので、それとは無関係な正しい時計で運用されている公共サービス(平常運転の鉄道ダイヤとか、学校の出欠時間とか……今の例なら、日本のブログのアップ時間)に、1時間ゆとりをもって臨める、ってのと全く同じ状況になってる、ってのが、かなり分かりやすい考え方ではないでしょうか…!?
(いやそうでもない…?それより、「アメリカの時計が1時間進んだんだから、日本から見たら、アメリカ時間での〆切りが1時間早く来る(これはすごく自然)。ならその逆で、アメリカから見たら、日本時間の〆切りは1時間遅くなる」と考えた方が分かりやすいですかね…?))

まぁ最後どうでもいい話に終始しましたが、北米との時差が関係ある業務をしている方は、ついにまたサマータイムが始まったので、ぜひご注意ください、という話でした(まぁ業務に関係あるなら、注意喚起せずともご存知かとは思われますが…)。

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