DNA・タンパク質

鳥かごの鳥が羽ばたくと…

遠心力に端を発した面白物理問題ネタ、エレベータージャンプに続き、車内に浮かぶ風船の動きなんかをここ最近の記事では見ていたわけですが、ちょっと欲を出してもう少しだけ、関連する話としてふと頭に浮かんだ、(もうあんまり本題の遠心力とは関係ないけ…

風船はどちらへ動く?

前回の記事では、遠心力から派生して、慣性の力について触れていましたが… (あんまり慣性という程でもなく、単に相対速度の話だったかもしれませんけど… (=時速200 kmで走る電車の屋根の上に立っている人は、そのままトンネルの壁に激突したら時速200 km…

エレベーターが墜落する瞬間にジャンプすれば助かるのか…?

フェノクロ・エタ沈といった生命科学系実験でよく使われる遠心機の話から脱線した「回転・遠心」の話を終え、また途中状態だった所へ戻っていこうと思っていたのですが…… 例によって時間不足から来るネタ不足は慢性的なものであり、何か簡単に見れる脱線ネタ…

世界一速く回るものは?

まず訂正から入りたいのですが、前々回の記事で見ていた回転アトラクション「トンデミーナ」でかかる遠心力(G)について、大きなミスを見つけてしまいました。 前回の記事を書いた時点でも気付かずそのまま「重力の13倍以上!」と書いてしまっていたものの…

体重はどこで測るのがオススメ?

遠心ネタで無駄に脱線を続けており、前回は遊園地のアトラクションでかかる「G」なんかを見ていました(我らが富士急ハイランドにある「トンデミーナ」の最高速でかかるGは、重力の6.5倍以上!)。 いきなり何のこっちゃという話でしたが、何気に遠心機とか…

トンデミーナでかかる重力は…?

ここ何回かの記事で、分速15万回転という凄まじい高速遠心機など、回る機械について色々と見ていました。 今回脱線ネタの本題は、記事タイトルにもした通り、「果たして世界一速く回るものは何で、どれぐらいの速さか?」というものなのですが、その前にもう…

1秒で2500回まわると…?

前回の記事では、遠心機のローターには大きく分けて2種類、アングルローターとスイングローターというものがあり、機械的にはアングルローターの方が高速回転させるのも当然余裕ではあるものの(全てが固定されている安定した物体なので)、実験の都合で、「…

使ってみたい!超高速回転ローター!!

色々なネタを提供してくれた遠心機についても、一通り触れようと思っていた話題にはとうとう触れ終えていた感じでした。 (まぁ、「一通り」と言いつつ、バランスの話を無駄に何回もグダグダと語っていただけでしたけど(笑)) そんなわけで脱線元のフェノク…

ローター問題の答

前回の記事では、遠心機・チューブバランス問題として、一般的にどういう状況なら釣り合いの取れた形で遠心機を回すことができるのか?…という点に、ちょうど入りかけた所で終わっていました。 例えば24穴(ウェル)ローターの場合、1本あるいは23本を配置す…

案外奥の深かったバランス問題

回転するローターの穴(ウェル)にチューブを入れることで使う高速遠心分離機が、「安定して回ることが可能となっているかどうか?」という、いわゆる「バランス(釣り合い)を取る」話について(引っ張るほどのネタでも何でもないのですが)ここ何回か見て…

本当に釣り合ってるのかよ?!

前回は非常に一般的な高速遠心機である24ウェルローターで、チューブをバランスよく配置する(=遠心力が完全に打ち消し合う形になって、安全に回せる)パターンを見ていました。 結構意外なことに、24ウェルローターというのは、2と3を約数にもつ数字の強み…

ナイスなナンバー、24!

前回、「バランスは取れているの…?」というタイトルの記事にしていましたが、これは実は今回触れるネタの方がより適切な感じで、チビタンの話ではバランスが取れてるか不明な感じなんてなかったのに、そこまで話が届かなかった(でもタイトルはもうつけてい…

バランスは取れているの…?

前回の記事では遠心機の話に脱線していましたが、予告通り、今回もまた遠心機に関してちょっとした小ネタを挟んでみようかと思います。 ちょうどその話に持っていくのに都合が良いので、前回紹介していたチビタンから再開してみますと、小型卓上遠心機である…

チビタン!

色々な話題に触れられて非常に助かっております「フェノクロ・エタ沈」ネタ、前回はクッソ偉そうに、「大学生は無能、研究を進める上ではお荷物で役立たずの、ゴミカスのような存在」などという暴言(そこまでは言ってなかったし、実際全く思ってはいません…

バイオのバイブル、「モレクロ」!

前回の記事では、お役立ち情報交換掲示板・BioTechフォーラムの情報をお借りしながら、フェノクロでおもむろに登場してくるフェノール以外のやつら…クロロホルム・イソアミルアルコール・8-HQという試薬の役割について触れていました。 あまりハッキリとは触…

クロホ・イソアミ・キノリンの役割は…?

引き続き「フェノクロ・エタ沈」という、生命科学実験で最も基本と言われる実験手技に関する補足豆知識ネタに触れて参りましょう。 前回はフェノクロ処理を行う際のサンプルの量について、多すぎると1本のチューブに収まらず面倒なことになる… (=後のエタ…

多すぎると溢れるし、少なすぎるとロスしちゃう…

前回の記事では、DNA回収手法として名高い「エタ沈」の友といえる、代表的な共沈剤、グリコーゲン・LPAについて、両者の違いを示してくれている論文を簡単に紹介していました。 どうでもいい小ネタとして、glycogenは英語だと「グライコジェン」と読まれるの…

短小の味方グリコ、短小は嫌いなLPA

前回は、元気の源・グリコーゲンが、DNAを可視化するのにも役立っており(=共沈剤として、DNAを絡め取って沈殿させる役割がある)、また、昔は(多分今も?)試薬のグリコーゲンというのは、牡蠣から採取していたもののようです、なんてことにも触れていま…

グリコはオイスター!

「DNAをこの目で見てみる」という話から、キッズ科学体験教室で行われる実験手法の話を経て、研究室レベルで行われるフェノクロ・エタ沈の話になり、そこからの関連ネタとして「DNAはブラックライトに当たると光るのか」という点や、そこをきっかけに前回の…

サーモンのDNA!

前回はいきなり「フィギュアぶっかけ」的な、何かヤバいというかキモい話を展開していましたが、あれは、スパームに含まれるDNAが光っているのではなく、恐らくタンパク質が光っているのだと思われます…などと書いていました。 しかし、DNAやRNAは普通に一か…

DNAは光るのか?

前回の記事(↓)では、エタ沈にまつわる補足小話として、「エタチンメイト」という、DNAと絡みついて溶液の中から目に見える形で落としやすくしてくれるお役立ち分子の紹介をしていました。 con-cats.hatenablog.com リンクカードを再掲しましたが、記事の最後…

エタチンの友

Youtube動画の力をお借りして、フェノクロ・エタ沈という生命科学系実験の基本中の基本にして最もよくやられるレベルの実験手法を一通り紹介していました。 一部補足したい部分もあったっちゃあったので、(画像は省略して)キャプションについていた説明文…

エタチンの実際(後半:沈めて落とす!)

「ピュアなDNAをゲットしたい―」…そんな声にお応えして見始めていた「誰でもできるDNA精製実験」のコーナー(一言もそんな声は届いてませんが(笑))、実験室では今でもよく使われる手法として、「フェノクロ・エタ沈」という手技を紹介してくれている動画(…

フェノクロの実際(前半:混ぜて分ける)

唐突に始めていた「DNAを見てみよう」のコーナーから、唐突に深入りしていたフェノールについて、前回までで「なぜフェノールと混ぜることでDNAだけ選択的に取り出せるのか(タンパク質は上手いこと除けるのに)」という点を簡単に説明していました。 文字だ…

なぜDNAは死なないのか?

前回は、フェノールという薬剤がなぜタンパク質を破壊できるのかという点について、ざっくりとした説明を並べていました。 結局、フェノールという物質は「水と油の関係性」を完全にひっくり返し、普段水中に存在する形で最適化されてるタンパク質分子(=親…

フェノクロ!

引き続き、無駄に細かく見ています「お家で細胞からDNAを取り出そう」シリーズ、「洗剤を加えた塩水」というDNA抽出液の後半戦…に行く前に、せっかくなので前回触れていたフェノールについて、もうちょい詳しく触れる所から参りましょう。 前回のおさらいで…

油の次は、タンパク質をぶっ壊そう!

「お家で細胞からDNAを取り出そう」シリーズ、前回からようやく具体的な方法について見始めており、まずは細胞を漬けてDNAを抽出するための溶液=「洗剤入りの塩水」の、洗剤の意味に触れていました。 ごく簡単におさらいだけしてみますと、洗剤というのは、…

洗剤で破壊しよう!

前回の記事では唐突に、「な~んかこういう体験型実習って、あんま意味なくないっすかぁ?」的なことをグダグダと語っていました。 「いやそんなこといきなり俺らに言われましても……企画者じゃないを通り越して、参加したことすらないんですが……」 …って話の…

失敗させてよ!

染色体の話から派生して、「DNAは簡単に目で見ることができます、具体的にはこう」などという感じで、子供科学体験教室のみならず、家庭でも簡単にできるDNA抽出の方法を、ブロッコリー・バナナ・自分の口の中の粘膜という3つの異なる材料で実施している実験…

DNA、ゲットだぜ!

前回の記事では改めて「染色体・DNAの数」について簡単な数字いじりをしながらまとめていたましたが、結論だけ再掲しますと、染色体1本は平均1.4億塩基がつながってできたDNAからできており、細胞1つには46本の染色体が含まれており、人間ひとりには約37兆個…